不眠の子守唄

海外文学などの書評や洋楽のレビューを書いているブログ。

映像作品-映画

映画『アネット』感想ー異端児スパークスによる異色のロック・ミュージカル

スパークスというアメリカのバンド(というかデュオ)がある。 スパークスは1960年代(!)から活動している、ロン・メイルとラッセル・メイルという兄弟によるデュオだが、二人とも健在でいまだに創作意欲は旺盛で、ここ最近日本でも話題にあがることが増え…

映画『ユダヤ人の私』感想ーユダヤ人被収容者の半生と後半生

映画『ユダヤ人の私』を観た。 ゲッベルスの秘書を務めた女性ブルンヒルデ・ポムゼルにインタビューをした『ゲッベルスと私』に続く、オーストリアのクリスティアン・クレーネス監督らによる「ホロコースト証言シリーズ」の第二弾で、本作は『ユダヤ人の私』…

『燃えよ剣』の土方歳三像の考察【司馬遼太郎の原作小説&原田眞人監督の映画との違い】

司馬遼太郎の小説を原田眞人監督が映画化した映画『燃えよ剣』を観た。その後司馬遼太郎の原作『燃えよ剣』も読んだ。 まず、映画を観た感想としては、殺陣が見事である。 主演の岡田准一のアクションへのこだわりと、原田監督の「時代劇という伝統を絶やさ…

映画『ドライブ・マイ・カー』と、村上春樹の原作との違いと【感想】

映画『ドライブ・マイ・カー』を観たので、今更ながら感想を書こうと思う。 この映画は、村上春樹の短編集『女のいない男たち』に所収されている短編「ドライブ・マイ・カー」を原作とする、濱口竜介監督による映画である。カンヌ国際映画祭で脚本賞も受賞し…

スピルバーグ『シンドラーのリスト』が傑作である理由【あらすじ・感想】

大学に入ってから、戦争映画だけはちゃんと観ようと思い立ち、以来観る映画の半分以上が戦争映画になった。 純粋なドキュメンタリーも観るが、実話をもとにしたフィクションも観る。中でも印象的だったのは、スティーヴン・スピルバーグ監督の『シンドラーの…

アメリカの国民的小説『アラバマ物語(To Kill a Mockingbird)』を読む【あらすじ・感想・映画原作比較】

20世紀に書かれた最高の英米文学は? というランキングで、たいてい上位に君臨するのは、ジョイスやスタインベックなど日本でも馴染み深い作家の本である。 だが、アメリカ人がこのようなランキングを作成すると、たいてい上位にハーパー・リーの『To Kill A…

『パラサイト 半地下の家族』を「節度と思いやり」から考察する

映画「パラサイト」を今更ながら見た。伏線回収が巧みで、なおかつ展開の読めない点。韓国映画ならではの舞台設定など、つくりのうまさに感嘆した映画であった。 この映画について通り一遍の考察はすでにしつくされているだろうから、自分なりに何を考えたか…

第一次世界大戦をカラー映像で見るには―映画『彼らは生きていた They Shall Not Grow Old』

第一次世界大戦のドキュメンタリー映像をカラー映像に着色した、『彼らは生きていた』They Shall Not Grow Oldという画期的な映画がある。 リアルに第一次世界大戦の戦場を知りたいという方には、是非見ることをお薦めしたい映画である。今回は、この映画に…