- 2026年3月22日
E.T.A.ホフマン『マドモワゼル・ド・スキュデリ』あらすじ・感想《推理小説の“真の起源”を探る》
推理小説の元祖として広く知られているのは、エドガー・アラン・ポーの『モルグ街の殺人』(1841年)だろう。名探偵デュパンが登場し、密室で起きた凄惨な殺人の謎を、読者とともに論理的な推理で解き明かしていく。もちろん、今読めば『モルグ街の殺人』は平凡で古びた作品に思えるかもしれないが、それはむしろこの作 […]
推理小説の元祖として広く知られているのは、エドガー・アラン・ポーの『モルグ街の殺人』(1841年)だろう。名探偵デュパンが登場し、密室で起きた凄惨な殺人の謎を、読者とともに論理的な推理で解き明かしていく。もちろん、今読めば『モルグ街の殺人』は平凡で古びた作品に思えるかもしれないが、それはむしろこの作 […]
現在存命の作家の中で最も「すごい小説家」が誰かというと、私は南アフリカ出身のノーベル文学賞作家、J.M.クッツェーではないかと思う。 クッツェーは白人でありながら、アパルトヘイト時代の南アフリカを舞台にした作品を書き続けてきた作家である。代表作『マイケル・K』(1983年)で、英語圏で最も権威のある […]
村上春樹の『羊をめぐる冒険』は、村上春樹作品の中でも人気のある代表作である。個人的にもかなり好きな作品ではあるのだが、一方でこの作品の何が好きなのかというと、意外と言語化できない。 ただ、この作品は何度か読んではいるのだが、正直なところ『羊をめぐる冒険』という物語の筋を完璧に覚えているかというと、あ […]
グレアム・グリーンの『ブライトン・ロック』という小説について紹介したい。 グリーンといえば映画化もされている『ヒューマン・ファクター』(1978)や『情事の終り』(1951)、『権力と栄光』(1940)といった代表作で知られる、20世紀イギリスを代表する作家だが、これらの傑作に先立って1938年に発 […]
昨年亡くなったアメリカの作家ポール・オースター(1947-2024)。もっと早く追悼記事を書こうと思っていたが、1年半以上も経過してしまった。今回はオースターの代表作である『幽霊たち』について紹介したい。 ポール・オースターという小説家について はじめに、オースターおよび『幽霊た […]
読み終わった後に茫然自失になるほどの衝撃を受ける文学を読みたいのであれば、アゴタ・クリストフの代表作『悪童日記』をおすすめしたい。 アゴタ・クリストフは、1935年にハンガリーで生まれ、子どもの頃に第二次世界大戦を体験する。その後1956年、クリストフが21歳の時にハンガリー動乱が起き、オーストリア […]
ジョージ・オーウェルの『1984』といえば、現代の監視社会などを予言した小説として有名である。 私は5年前に、このブログで『1984』について書いたことがある。その時、私がオーウェルが『1984』の中で提示した概念の中で、最も現代性があると感じたのが「二重思考」や「ニュースピーク」という概念だった。 […]
日本の軍人を描いた戦争小説の中で最も有名な作品は何かという問いの一つの答えは、大岡昇平の『野火』であろう。 『野火』は、作者のフィリピンでの戦争体験をもとにした小説であり、作者自身の戦場での体験が色濃く反映されている。 作品自体はフィクションだが、日本軍とフィリピンの住民との関係、軍人の持つ二面性、 […]
2025年という、戦後80年という節目の年を迎えた。私は戦時下の記憶を持つ祖父母に接して育ち(祖父母も当時はほんの子どもだったのだが)、戦時下の体験というものを、ある程度身近に感じて育ってきた。しかし、私より下の世代にとって、戦争はもっと遠い存在なのだと思う。 思えば私が子どもの頃は、(ほぼ会話を交 […]
仕事をしたくない! ということで、仕事をしない奇人を描いた短編小説を紹介したい。 ハーマン・メルヴィルが1853年に発表した短編小説『書記バートルビー』(Bartleby)である。170年も前の、わずか100ページの作品でありながら、いまもなお多くの批評家に言及される小説である。そして、いま読んでも […]