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小説

  • 2025年8月18日
  • 2025年8月18日

アゴタ・クリストフ『悪童日記』という圧倒的な傑作文学【書評・解説】

読み終わった後に茫然自失になるほどの衝撃を受ける文学を読みたいのであれば、アゴタ・クリストフの代表作『悪童日記』をおすすめしたい。 アゴタ・クリストフは、1935年にハンガリーで生まれ、子どもの頃に第二次世界大戦を体験する。その後1956年、クリストフが21歳の時にハンガリー動乱が起き、オーストリア […]

  • 2025年8月11日

戦争はなぜなくならないのか? オーウェルが『1984』で出した答え

ジョージ・オーウェルの『1984』といえば、現代の監視社会などを予言した小説として有名である。 私は5年前に、このブログで『1984』について書いたことがある。その時、私がオーウェルが『1984』の中で提示した概念の中で、最も現代性があると感じたのが「二重思考」や「ニュースピーク」という概念だった。 […]

  • 2025年7月31日
  • 2025年7月31日

《戦後80年》日本を代表する戦争文学『野火』(大岡昇平)を読む【あらすじ・読書感想】

日本の軍人を描いた戦争小説の中で最も有名な作品は何かという問いの一つの答えは、大岡昇平の『野火』であろう。 『野火』は、作者のフィリピンでの戦争体験をもとにした小説であり、作者自身の戦場での体験が色濃く反映されている。 作品自体はフィクションだが、日本軍とフィリピンの住民との関係、軍人の持つ二面性、 […]

  • 2025年7月31日
  • 2025年7月31日

《戦後80年》いま読みたい日本の戦争文学10選【戦争経験者が遺した、読み継ぐべき作品】

2025年という、戦後80年という節目の年を迎えた。私は戦時下の記憶を持つ祖父母に接して育ち(祖父母も当時はほんの子どもだったのだが)、戦時下の体験というものを、ある程度身近に感じて育ってきた。しかし、私より下の世代にとって、戦争はもっと遠い存在なのだと思う。 思えば私が子どもの頃は、(ほぼ会話を交 […]

  • 2025年7月27日
  • 2025年7月27日

メルヴィル『書記バートルビー』仕事をしたくない時に思い出す短編小説【あらすじ・感想】

仕事をしたくない! ということで、仕事をしない奇人を描いた短編小説を紹介したい。 ハーマン・メルヴィルが1853年に発表した短編小説『書記バートルビー』(Bartleby)である。170年も前の、わずか100ページの作品でありながら、いまもなお多くの批評家に言及される小説である。そして、いま読んでも […]

  • 2025年7月20日
  • 2025年7月26日

ホーソーンが書いた最高の短編小説『ウェイクフィールド』【あらすじ・感想】

短編小説の名手として知られるノーベル文学賞作家、ホルヘ・ルイス・ボルヘスが「およそ文学における最高傑作のひとつと言っても過言ではない」と評価した短編小説が、19世紀アメリカの作家ナサニエル・ホーソーンの「ウェイクフィールド」という短編である。 (正確には「ホーソーンの短編のうちの最高傑作であり、およ […]

  • 2025年7月20日
  • 2025年7月26日

エドガー・アラン・ポーの短編はなぜ読み継がれるのか「モルグ街の殺人」「黒猫」の魅力解説【あらすじ・書評】

特に条件もなく、アメリカ文学のおすすめ作家を誰か一人挙げてほしいと聞かれたら、結局エドガー・アラン・ポーの名前を挙げるかもしれない。 エドガー・アラン・ポー(1809-1849)は、1776年のアメリカ建国以後、アメリカで文筆によって生計を立てようとした最初期の作家の一人である。ポーの名前を挙げる理 […]

  • 2025年6月30日
  • 2025年8月17日

ヘミングウェイ『老人と海』ラストの衝撃【読書感想・私的紹介】

ヘミングウェイの『老人と海』のような、並外れて有名な作品については、このブログでその魅力を伝えたり考察を書いたりする意味をあまり感じないので、私的な読書感想文を書くことにしようと思う。 私が『老人と海』という作品と出会ったのは、中学生の頃だったと思うが、結局この作品を読み終わったのは大学生になってか […]

  • 2025年6月22日
  • 2025年8月11日

なぜ『三国志演義』は史上最高の歴史小説なのか《面白い理由》

私は歴史好きではあるのだが、正直なところ歴史小説はあまり読まないほうかもしれない。 なぜ私があまり歴史小説を読まないのかを考えると、一度『三国志演義』を読んでしまったからではないかという気がする。 『三国志演義』は、言わずと知れたコーエーの『三国志』『三国無双』といったゲームや、横山光輝の漫画の原典 […]

  • 2025年5月31日
  • 2025年6月7日

ブルガーコフ『巨匠とマルガリータ』ソ連が“禁書”にした奇想小説の持つ魔力【あらすじ・感想】

ロシア文学というと、ドストエフスキーやトルストイによる、長大で難解な作品をイメージする方が多いと思う。しかし、ロシア文学はそういった「堅い小説」ばかりではない。 ここで紹介したいのは、ミハイル・ブルガーコフ(1891~1940)の代表作『巨匠とマルガリータ』である。 『巨匠とマルガリータ』という小説 […]

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このブログは管理人が実際に読んだ本や聴いた音楽、見た映像作品について書いています。AI全盛の時代ですが、生身の感想をお届けできればと思っています。