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書評

  • 2020年3月5日

カート・ヴォネガット『猫のゆりかご』あらすじ・感想ー描く世界に「真実はいっさいない」のか?

カート・ヴォネガット「猫のゆりかご」について感想を記す。 この「猫のゆりかご」を一読した当初は、正直なところあまりよくわからなかったと記憶している。だが、先日「タイタンの妖女」の感想を記したのをきっかけに再読し、この作品についてもだんだん理解が及んできたような気がしてきたので、ここに記事を書くことに […]

  • 2020年3月1日
  • 2025年3月31日

カート・ヴォネガット『タイタンの妖女』感想・考察ーなぜ、人類は「タイタン」へ行ったのか?

カート・ヴォネガット「タイタンの妖女」といえば、アメリカのSFの最高傑作のひとつともされる作品である。爆笑問題・太田光の最も愛する作品の一つとしても知られている。 1959年の作品ということもあって、古さを感じる場面は多くある。しかし、今でもSFの古典として輝きを放っていることに疑いの余地はない。今 […]

  • 2020年2月29日
  • 2025年8月16日

人類の神話はどう分岐した?比較神話学の入門書-後藤明『世界神話学入門』書評・感想

世界の神話は、不思議と似たような関係を持っているものがあるということは、よく知られた事実だろう。 古代メソポタミア時代に成立した人間最古の物語の一つ、ギルガメシュ叙事詩には「大洪水」が描かれており、これの話は、旧約聖書「創世記」中の「ノアの箱舟」の洪水神話との関連が指摘されているのは有名である。 し […]

  • 2020年2月28日
  • 2025年8月3日

新型コロナウイルスからの隠遁生活を送るなら『デカメロン』を読もう

新型コロナウイルスの蔓延がいよいよ看過できない問題となってきた。 休日も家に籠もることを余儀なくされている人は多々いるだろう。 しかし、暇を持て余すからといって、悲観することではない。いまどきAmazon Prime Videoとか、Netflixとか、暇つぶしのためのインターネットコンテンツはいく […]

  • 2020年2月24日
  • 2025年3月17日

緻密な悲劇的ミステリー ガルシア・マルケス『予告された殺人の記録』あらすじ・感想

「予告された殺人の記録」は、1982年のノーベル文学賞受賞作家、ガルシア・マルケスの中編である。ガルシア・マルケスといえば『百年の孤独』の存在感が強すぎるが、この作品は作者自身が最高傑作と述べているほど、緻密に組まれた名作である。今回は、この作品について紹介したい。 また、この作品は非常に緻密である […]

  • 2020年2月16日
  • 2025年3月16日

「科学」と「宗教・神」は両立しうるのか?科学者が出した答え 三田一郎『科学者はなぜ神を信じるのか』書評・感想

アメリカでの宗教右派は進化論を否定していたり、宗教と科学はしばしば対立する。とはいえ、わざわざ言う必要もないだろうが、科学者の中には、たとえば敬虔なクリスチャンがいたり、宗教と科学は完全に対立しているわけではない。 「科学」と「宗教・神」は両立しうるのか?ーーそれをテーマにした新書がある。 三田一郎 […]

  • 2020年2月14日
  • 2025年3月17日

中国古典は面白い! 幽玄の中華ファンタジー『聊斎志異』の魅力

漢文が嫌いな人は多いらしい。きっと中学・高校の漢文の授業がつまらなかった、という人が多いのだろう。 だが、中国の古典にはものすごく面白いものも多いと私は思っている。 その最たる例が、この「聊斎志異」である。今回は、もし読者の方が漢文にネガティヴな印象を持っているならばそれを払拭し、「面白い漢文」とし […]

  • 2020年2月12日
  • 2025年3月16日

「耽美主義」を象徴する作品 ワイルド『サロメ』とは【あらすじ・感想】

オスカー・ワイルドという人物は、なぜだかサブカルチャーの世界で何か熱狂的な支持を集めている人物である。その魅力を知るために一冊を選ぶとしたら、私はこの「サロメ」を選ぶ。というのも、この作品こそが短いながら耽美的なワイルドの世界をよくあらわしているからだ。

  • 2020年2月10日
  • 2025年7月31日

《戦後80年》遠藤周作『海と毒薬』あらすじ・感想ー世界を麻痺させる「毒薬」とは何か考察する

「僕のヒーローアカデミア」(「ヒロアカ」)が最近(2020年2月)炎上し、週刊少年ジャンプ編集部が謝罪文を出すまでになった。さまざまな流言が流布しているが、文学好きとして思い出すのは遠藤周作「海と毒薬」だろう。作者遠藤周作は、この作品を通じて何を伝えたかったのか考えていきたい。

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このブログは管理人が実際に読んだ本や聴いた音楽、見た映像作品について書いています。AI全盛の時代ですが、生身の感想をお届けできればと思っています。