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古典的名作

  • 2022年1月26日
  • 2022年10月19日

ブッツァーティ短編集『七人の使者・神を見た犬』ー幻想的で不条理な短編集

20世紀のイタリアの作家ディーノ・ブッツァーティは、代表作の長編『タタール人の砂漠』も有名だが、多くの優れた短編を残した小説家としても知られている。 ブッツァーティの短編は非常に面白いが、星新一のショートショートのように奇抜な設定やオチの秀逸さを楽しめるものでも、オー・ヘンリーの短編のように心温まる […]

  • 2022年1月14日
  • 2022年10月19日

『タタール人の砂漠』あらすじ・感想ー読むとしばらく立ち直れない本

人生とは、有限で、老いとともに色々な可能性を失っていくもので、短く、たいていの人は何かを成し遂げることさえできずに終幕を迎えるものである。 そのようなことをテーマにした世界文学の名作として、イタリアの作家ディーノ・ブッツァーティの『タタール人の砂漠』という作品がある。 ディーノ・ブッツァーティは「イ […]

  • 2021年11月11日
  • 2022年10月19日

『イーヴリン・ウォー傑作短編集』感想ー名作家によるブラックな短編

世の中には多く「傑作集」を銘打っている本があり、時たま納得できないものもあるが、イーヴリン・ウォーの『イーヴリン・ウォー傑作短篇集』(白水社エクス・リブリス・クラシックス)は、個人的には文句なしの「傑作短編集」だ。 このブログでは、これまでもいくつかイーヴリン・ウォーの長編は紹介してきたが、ウォーは […]

  • 2021年11月6日
  • 2022年10月19日

F.S.フィツジェラルド『ベンジャミン・バトン』あらすじ・考察ー名短編のテーマとは?

『ベンジャミン・バトン 数奇な人生』というと映画が有名だが、原作は『グレート・ギャツビー』で有名なアメリカの小説家フランシス・スコット・フィッツジェラルドの短編である。 ご存じの方も多いと思うが、「老人の姿で生まれて、歳を重ねるごとに若返っていく運命を背負ったベンジャミン・バトン」の物語である。 今 […]

  • 2021年11月6日
  • 2022年10月19日

クノー『文体練習』という奇書を読む【書評・感想】

昨日レーモン・クノーの『地下鉄のザジ』の紹介をしたので、今回はクノーの『文体練習』という本について紹介しようと思う。 この本は、小説でもエッセイでもない。 ではどのような本なのかというと、この本は同じ内容の文章を、99通りの別の書き方で書いた、まさに「文体の教科書」なのである。 今回は『文体練習』に […]

  • 2021年11月5日
  • 2025年7月20日

クノー『地下鉄のザジ』あらすじ・感想ー価値観を揺るがす小説

『地下鉄のザジ』というと映画が有名だが、原作はレイモン・クノーによる小説である。 以前から興味はあったが、ついこの間の2021年9月に『地下鉄のザジ』がの新版が中公文庫から出たことを知ったので、読んでみた。新版でも訳は以前と変わらず生田耕作のものだが、植草甚一の映画評と千野帽子の新版解説がつけられて […]

  • 2021年10月31日
  • 2022年10月19日

ラテンアメリカ文学の伝説的作品『ペドロ・パラモ』を読む【あらすじ・感想】

「面白いストーリー」と「面白い文学」は違う。 ーーということを最も強く実感するのは、中南米の小説を読んでいる時だ。 今回紹介するフアン・ルルフォの『ペドロ・パラモ』という小説は、ノーベル文学賞作家ガルシア・マルケスやバルガス=リョサをはじめとするラテンアメリカの作家たちに大きな影響を与えたといわれる […]

  • 2021年10月29日
  • 2025年6月8日

ギュンター・グラス『ブリキの太鼓』あらすじ・感想ー子どものままでいることの罪

ドイツのノーベル文学賞受賞作家、ギュンター・グラス(1927~2015)の代表作に『ブリキの太鼓』という作品がある。 (映画化されているものも有名だが、この記事では原作の小説のみ取り扱う) 一行で解説すると、この小説は「主人公が生まれながらの超能力者で、三歳で自分の成長を止め、幼児の姿で激動の時代を […]

  • 2021年10月21日
  • 2025年8月5日

チェーホフ『ワーニャ伯父さん』あらすじ・感想ー絶望の中で生きるということ

先日、映画『ドライブ・マイ・カー』を観た。この映画の中で重要なモチーフとなっているのが、チェーホフの戯曲『ワーニャ伯父さん』であるが、この作品の内容が気になったので積読していたこの本を読んでみた。 今回は、『ドライブ・マイ・カー』で言及された点を重視しながら、『ワーニャ伯父さん』のあらすじや感想につ […]

  • 2021年10月20日
  • 2022年9月14日

フランツ・カフカ『変身』あらすじ・感想ー現代の社畜の悲劇として考察する

海外文学はそれなりに読んできたが、カフカはいまいち「わからない」という感想を持っている作家だ。 しかし、むしろ、わからないところがクセになるともいえる。面白さがよくわからなくても、読み終わると「すごいものを読んだ」という気持ちになる。 そのような中で、カフカの『変身』は、すぐに読み終わる短編というこ […]

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このブログは管理人が実際に読んだ本や聴いた音楽、見た映像作品について書いています。AI全盛の時代ですが、生身の感想をお届けできればと思っています。