- 2020年3月2日
常軌を逸した戦争に駆り立てた観念とは何だったのかー新書大賞・大木毅『独ソ戦 絶滅戦争の惨禍』書評・感想
新書大賞2020も受賞した、大木毅「独ソ戦」(岩波新書)を読んだ。 なるほど新書大賞を受賞するだけのことはあり、面白かった。この本を読んで、考えたことについて記していきたい。
新書大賞2020も受賞した、大木毅「独ソ戦」(岩波新書)を読んだ。 なるほど新書大賞を受賞するだけのことはあり、面白かった。この本を読んで、考えたことについて記していきたい。
カート・ヴォネガット「タイタンの妖女」といえば、アメリカのSFの最高傑作のひとつともされる作品である。爆笑問題・太田光の最も愛する作品の一つとしても知られている。 1959年の作品ということもあって、古さを感じる場面は多くある。しかし、今でもSFの古典として輝きを放っていることに疑いの余地はない。
『タイタンの妖女』の感想を書いたのだが、あらすじが長くなりすぎたのでここで別の投稿として紹介することにした。
世界の神話は、不思議と似たような関係を持っているものがあるということは、よく知られた事実だろう。 古代メソポタミア時代に成立した人間最古の物語の一つ、ギルガメシュ叙事詩には「大洪水」が描かれており、これの話は、旧約聖書「創世記」中の「ノアの箱舟」の洪水神話との関連が指摘されているのは有名である。 しかし、このような […]
新型コロナウイルスの蔓延がいよいよ看過できない問題となってきた。 休日も家に籠もることを余儀なくされている人は多々いるだろう。 しかし、暇を持て余すからといって、悲観することではない。いまどきAmazon Prime Videoとか、Netflixとか、暇つぶしのためのインターネットコンテンツはいくらでもある。 […]
大木毅「『砂漠の狐』ロンメル」を読んだので、感想を記そうと思う。 結論から言えば、非常に面白い本であったと思っている。
東京近辺に住んでいるなら、区立図書館は気軽に本やCDを借りることのできるサービスとして活用したい公共サービスである。 しかし、どの区立図書館のサービスが充実しているのだろうか。 それを知るためには、東京都立図書館が行っている調査が有益である。 以下、上のリンク先にある平成31年度の調査結果を出典として、区立図書館の […]
私事だが、戦国武将の逸話集を読むのを、一時期ライフワークにしていたことがある。いわゆる「戦国マニア」というより「戦国武将マニア」である。 一般的なムック本で戦国武将に関する知識はいくらでも手に入れることができるが、情報の正確性などに不安がある本は多い。 そこで、より多くの・かつ正確な逸話を知りたいと思いはじめた「戦 […]
「予告された殺人の記録」は、1982年のノーベル文学賞受賞作家、ガルシア・マルケスの中編である。ガルシア・マルケスといえば『百年の孤独』の存在感が強すぎるが、この作品は作者自身が最高傑作と述べているほど、緻密に組まれた名作である。今回は、この作品について紹介したい。
映画「パラサイト」を今更ながら見た。伏線回収が巧みで、なおかつ展開の読めない点。韓国映画ならではの舞台設定など、つくりのうまさに感嘆した映画であった。 この映画について通り一遍の考察はすでにしつくされているだろうから、自分なりに何を考えたかを記そうと思う。(ネタバレあります)