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2021年9月

  • 2021年9月21日
  • 2022年9月14日

クッツェー『恥辱』あらすじ・感想ー現実にどう向き合うか

都内の大学の教授が過去に教え子と性的関係を持ち、教え子から告発されたらしい。申し立てが事実なら、大学から追われることになるだろう。 ところで、「大学教授が学生に手を出して懲戒処分になる」ところから始まる小説といえば、ノーベル文学賞作家ジョン・マクスウェル・クッツェーによる『恥辱』である。 もっとも、この小説で「大学教授 […]

  • 2021年9月20日
  • 2022年9月14日

コンラッド『闇の奥』あらすじ・感想ー「文明」と「野蛮」の対立と親和

先日、日本語を母語としない台湾出身の李琴峰さんが、『彼岸花が咲く島』で第165回芥川賞を受賞した。母語以外での作家活動なんて私には想像もできないくらい大変だと思うが、基本的に日本語で読書をする一読者としては、李さんのような作家の活躍は非常に嬉しいことだと思う。 ところで母語以外で創作活動を行った作家は、海外では超有名作 […]

  • 2021年9月10日
  • 2022年10月18日

【祝!復活】ABBA(アバ)のおすすめアルバムランキング

ABBA(アバ)が再結成するらしいと聞いたのは、もう3年前のことか。いったいいつになったら新曲がリリースされるのかと思っていたが、先日ついに配信された。新作を聞いたところ、めちゃくちゃABBAでびっくりしてしまった。 もちろん私の年齢ではアバの活躍はリアルタイムでは知らないのだが、両親が車の中でかけていたり、英語の勉強 […]

  • 2021年9月8日
  • 2022年9月14日

最良のノスタルジー小説は『回想のブライズヘッド』である【あらすじ・感想】

コロナ禍の現在では、友人と顔を合わせて語らい、共に旅行をした日々でさえ、もはやノスタルジーの対象となってしまった。 そんなノスタルジックな気分に浸ると思い出すのは、イギリスの作家イーヴリン・ウォーの『回想のブライズヘッド』という小説だ。 最良のーーなんて書くには私は寡聞すぎるが、少なくとも私が読んできた英文学の中では『 […]

  • 2021年9月7日
  • 2022年10月18日

カズオ・イシグロ『遠い山なみの光』というミステリー【あらすじ・感想】

世の中には三種類の作家がいる。デビュー作が一番読みやすい作家と、デビュー作が一番読みにくい作家と、どちらでもない作家だ。 ーーそんなことは当たり前なのであるが、しかし、色々な作家について、この3種の中のどれであるかを考えるのかは意外と面白いことではないかと思う。 このブログでもこれまで作品を紹介してきたが、カズオ・イシ […]