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2021年

  • 2021年10月15日
  • 2025年7月1日

ジーン・リース『サルガッソーの広い海』あらすじ・感想ー名作と植民地の暗部

「世界で最も評価されている二次創作」は、もしかするとジーン・リースの『サルガッソーの広い海』という小説かも知れない。 モダン・ライブラリーの「Modern Library 100 Best Novels」にも選ばれているこの小説は、シャーロット・ブロンテの『ジェーン・エア』の前日譚を「現代的な立場」 […]

  • 2021年10月14日
  • 2022年9月14日

英国流のブラックユーモア小説ーイーヴリン・ウォー『大転落』【あらすじ・感想】

イーヴリン・ウォーという小説家は、日本ではそこまで有名ではないかもしれないが、イギリスでは『情事の終り』などで知られるグレアム・グリーンと双璧とされるカトリック作家であるという。 過去にこのブログでも紹介したウォーの代表作『回想のブライズヘッド』は、過ぎ去った時代へのノスタルジーを主題とした小説だが […]

  • 2021年10月13日
  • 2023年7月4日

ヴァージニア・ウルフ『灯台へ』あらすじ・感想ー現代小説の傑作

死後80年近く経っているにもかかわらず、最近今まで以上に注目を集めている作家がいる。イギリスの女性作家、ヴァージニア・ウルフだ。 ウルフは「女性が小説を書こうと思うなら、お金と自分一人の部屋を持たねばならない」とした講演『自分ひとりの部屋』が有名でフェミニズム的な観点でも重要であり、またウルフはレズ […]

  • 2021年10月11日
  • 2025年7月31日

《戦後80年》井伏鱒二『黒い雨』あらすじ・感想ー原爆の不条理さに翻弄される庶民

この記事を書いたのは、「黒い雨訴訟」が話題となった時期である(2021年)。 「黒い雨」というのは、原爆投下後に降り注いだ、原爆投下時に生じた煤や放射性物質を含んだ、言葉通り黒色をした雨のことである。 つまり、原子爆弾によって直接被爆しなかった場合であっても、放射性物質を含む「黒い雨」を浴びてしまっ […]

  • 2021年10月9日
  • 2022年10月17日

ブラー(Blur)の名曲・名盤おすすめランキング【全アルバム評価】

以前、オアシス(Oasis)のアルバムランキングを書いたが、1990年代のイギリスで「ブリットポップ」と呼ばれる音楽シーンをオアシスとともに牽引したバンドが、ブラー(Blur)である。 地方の労働者階級出身のオアシスに対し、ロンドンの中産階級出身のブラーはことあるごとに対比されてきた。荒々しさのある […]

  • 2021年10月9日
  • 2022年9月14日

『若きウェルテルの悩み』でウェルテルはなぜ自殺したのか【あらすじ・感想】

「ウェルテル効果」という言葉がある。 有名人の自殺がマスメディアによって報道されると、それに影響されて自殺者が増える現象を表す言葉である。この名前は『若きウェルテルの悩み』の主人公ウェルテルにちなみ、この現象を実証した社会学者ディヴィッド・フィリップスによって名付けられた。 『若きウェルテルの悩み』 […]

  • 2021年10月7日
  • 2025年3月10日

文庫1冊以内! おすすめの日本文学の名作10選

このブログでは海外文学ばかり取り上げてきたが、日本文学も好きである。 以前海外文学のおすすめ10選を取り上げたので、せっかくなので対になるように日本文学のおすすめもしてみようと思う。 海外文学には、その地域特有の文学の魅力がある。しかし、日本文学も当然「日本の文学」であり、特有の魅力があるのである。 […]

  • 2021年10月6日
  • 2022年9月14日

「読んではいけない」本ーセリーヌ『夜の果てへの旅』【あらすじ・感想】

東京大学出版会から出ている『教養のためのブックガイド』という本があり、おもしろいのだが、その中で一番面白いのは「読んではいけない」本も挙げられていることである。 そのような「読んではいけない15冊」として挙げられているうちのひとつが、フランスの作家ルイ=フェルディナン・セリーヌによる『夜の果てへの旅 […]

  • 2021年10月3日
  • 2025年2月15日

レディオヘッド(Radiohead)の名盤・名曲おすすめランキング【全アルバム評価】

「レディオヘッドの良さがわからない」という人、あなたは正常である。 でも、私はレディオヘッドが好きだ。 とはいえ、私も最初からレディオヘッドが好きだったわけではない。私も昔は、到底ポップとは言えないレディオヘッドの曲をありがたがる人の気持ちが理解できなかった。 だが、人生の中で明るい音楽を精神的に受 […]

  • 2021年9月21日
  • 2022年9月14日

クッツェー『恥辱』あらすじ・感想ー現実にどう向き合うか

都内の大学の教授が過去に教え子と性的関係を持ち、教え子から告発されたらしい。申し立てが事実なら、大学から追われることになるだろう。 ところで、「大学教授が学生に手を出して懲戒処分になる」ところから始まる小説といえば、ノーベル文学賞作家ジョン・マクスウェル・クッツェーによる『恥辱』である。 もっとも、 […]

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このブログは管理人が実際に読んだ本や聴いた音楽、見た映像作品について書いています。AI全盛の時代ですが、生身の感想をお届けできればと思っています。