- 2021年10月13日
- 2023年7月4日
ヴァージニア・ウルフ『灯台へ』あらすじ・感想ー現代小説の傑作
死後80年近く経っているにもかかわらず、最近今まで以上に注目を集めている作家がいる。イギリスの女性作家、ヴァージニア・ウルフだ。 ウルフは「女性が小説を書こうと思うなら、お金と自分一人の部屋を持たねばならない」とした講演『自分ひとりの部屋』が有名でフェミニズム的な観点でも重要であり、またウルフはレズビアン小説も書き、自 […]
死後80年近く経っているにもかかわらず、最近今まで以上に注目を集めている作家がいる。イギリスの女性作家、ヴァージニア・ウルフだ。 ウルフは「女性が小説を書こうと思うなら、お金と自分一人の部屋を持たねばならない」とした講演『自分ひとりの部屋』が有名でフェミニズム的な観点でも重要であり、またウルフはレズビアン小説も書き、自 […]
最近(2021年)「黒い雨訴訟」が話題となった。 「黒い雨」というのは、原爆投下後に降り注いだ、原爆投下時に生じた煤や放射性物質を含んだ、言葉通り黒色をした雨のことである。 つまり、原子爆弾によって直接被爆しなかった場合であっても、放射性物質を含む「黒い雨」を浴びてしまった人は、放射性物質に被曝し、健康被害が出ていたの […]
以前、オアシス(Oasis)のアルバムランキングを書いたが、1990年代のイギリスで「ブリットポップ」と呼ばれる音楽シーンをオアシスとともに牽引したバンドが、ブラー(Blur)である。 地方の労働者階級出身のオアシスに対し、ロンドンの中産階級出身のブラーはことあるごとに対比されてきた。荒々しさのあるオアシスに対し、ブラ […]
「ウェルテル効果」という言葉がある。 有名人の自殺がマスメディアによって報道されると、それに影響されて自殺者が増える現象を表す言葉である。この名前は『若きウェルテルの悩み』の主人公ウェルテルにちなみ、この現象を実証した社会学者ディヴィッド・フィリップスによって名付けられた。 『若きウェルテルの悩み』は、1774年にドイ […]
このブログでは海外文学ばかり取り上げてきたが、日本文学も好きである。 以前海外文学のおすすめ10選を取り上げたので、せっかくなので対になるように日本文学のおすすめもしてみようと思う。 海外文学には、その地域特有の文学の魅力がある。しかし、日本文学も当然「日本の文学」であり、特有の魅力があるのである。 ここではおすすめの […]
東京大学出版会から出ている『教養のためのブックガイド』という本があり、おもしろいのだが、その中で一番面白いのは「読んではいけない」本も挙げられていることである。 そのような「読んではいけない15冊」として挙げられているうちのひとつが、フランスの作家ルイ=フェルディナン・セリーヌによる『夜の果てへの旅』という小説である。 […]
「レディオヘッドの良さがわからない」という人、あなたは正常である。 でも、私はレディオヘッドが好きだ。 とはいえ、私も最初からレディオヘッドが好きだったわけではない。私も昔は、到底ポップとは言えないレディオヘッドの曲をありがたがる人の気持ちが理解できなかった。 だが、人生の中で明るい音楽を精神的に受け付けなくなったころ […]
都内の大学の教授が過去に教え子と性的関係を持ち、教え子から告発されたらしい。申し立てが事実なら、大学から追われることになるだろう。 ところで、「大学教授が学生に手を出して懲戒処分になる」ところから始まる小説といえば、ノーベル文学賞作家ジョン・マクスウェル・クッツェーによる『恥辱』である。 もっとも、この小説で「大学教授 […]
先日、日本語を母語としない台湾出身の李琴峰さんが、『彼岸花が咲く島』で第165回芥川賞を受賞した。母語以外での作家活動なんて私には想像もできないくらい大変だと思うが、基本的に日本語で読書をする一読者としては、李さんのような作家の活躍は非常に嬉しいことだと思う。 ところで母語以外で創作活動を行った作家は、海外では超有名作 […]
ABBA(アバ)が再結成するらしいと聞いたのは、もう3年前のことか。いったいいつになったら新曲がリリースされるのかと思っていたが、先日ついに配信された。新作を聞いたところ、めちゃくちゃABBAでびっくりしてしまった。 もちろん私の年齢ではアバの活躍はリアルタイムでは知らないのだが、両親が車の中でかけていたり、英語の勉強 […]