- 2025年7月27日
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メルヴィル『書記バートルビー』仕事をしたくない時に思い出す短編小説【あらすじ・感想】
仕事をしたくない! ということで、仕事をしない奇人を描いた短編小説を紹介したい。 ハーマン・メルヴィルが1853年に発表した短編小説『書記バートルビー』(Bartleby)である。170年も前の、わずか100ページの作品でありながら、いまもなお多くの批評家に言及される小説である。そして、いま読んでも […]
仕事をしたくない! ということで、仕事をしない奇人を描いた短編小説を紹介したい。 ハーマン・メルヴィルが1853年に発表した短編小説『書記バートルビー』(Bartleby)である。170年も前の、わずか100ページの作品でありながら、いまもなお多くの批評家に言及される小説である。そして、いま読んでも […]
短編小説の名手として知られるノーベル文学賞作家、ホルヘ・ルイス・ボルヘスが「およそ文学における最高傑作のひとつと言っても過言ではない」と評価した短編小説が、19世紀アメリカの作家ナサニエル・ホーソーンの「ウェイクフィールド」という短編である。 (正確には「ホーソーンの短編のうちの最高傑作であり、およ […]
特に条件もなく、アメリカ文学のおすすめ作家を誰か一人挙げてほしいと聞かれたら、結局エドガー・アラン・ポーの名前を挙げるかもしれない。 エドガー・アラン・ポー(1809-1849)は、1776年のアメリカ建国以後、アメリカで文筆によって生計を立てようとした最初期の作家の一人である。ポーの名前を挙げる理 […]
いま私たちは、SNSのアルゴリズムが世論を動かし、選挙がゲームと化した時代を生きている。 「民主主義は最悪の政治形態である、ただしこれまでに試みられてきた他の全ての政治形態を除いては(It has been said that democracy is the worst form of gover […]
ヘミングウェイの『老人と海』のような、並外れて有名な作品については、このブログでその魅力を伝えたり考察を書いたりする意味をあまり感じないので、私的な読書感想文を書くことにしようと思う。 私が『老人と海』という作品と出会ったのは、中学生の頃だったと思うが、結局この作品を読み終わったのは大学生になってか […]
私は歴史好きではあるのだが、正直なところ歴史小説はあまり読まないほうかもしれない。 なぜ私があまり歴史小説を読まないのかを考えると、一度『三国志演義』を読んでしまったからではないかという気がする。 『三国志演義』は、言わずと知れたコーエーの『三国志』『三国無双』といったゲームや、横山光輝の漫画の原典 […]
いま私が読んでいる連載中のマンガの中で、圧倒的に面白いと思うのは『ふつうの軽音部』(原作:クワハリ、漫画:出内テツオ 『少年ジャンプ+』掲載)である。 この記事を書いているのは第70回が終わった時点だが、このマンガには毎回感動させられている。 なぜ『ふつうの軽音部』は面白いのか。それは、このマンガを […]
ロシア文学というと、ドストエフスキーやトルストイによる、長大で難解な作品をイメージする方が多いと思う。しかし、ロシア文学はそういった「堅い小説」ばかりではない。 ここで紹介したいのは、ミハイル・ブルガーコフ(1891~1940)の代表作『巨匠とマルガリータ』である。 『巨匠とマルガリータ』という小説 […]
令和ロマンが2025年4月28日に出した動画で、髙比良くるまの活動復帰の報告には驚かなかったが、髙比良が吉本興業を退所したという知らせには非常に驚いた。 吉本興業退所が最初にXでトレンド入りした時、私はくるま側が退所を申し出たのだろうと思った。もちろん、くるまは自身を「よしもとの最高傑作」と呼び、「 […]
ディストピアを描いた小説として、私がこれまで読んできた中で最も心をえぐられた小説とは何だっただろうか。 ディストピア小説の「三大古典」を挙げるとすれば、言わずと知れたジョージ・オーウェルの『1984年』 や、機械文明と人間の相剋を描き出したオルダス・ハクスリーの『すばらしき新世界』、本が焼かれる世界 […]