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仏・独・西欧文学

  • 2021年10月9日
  • 2022年9月14日

『若きウェルテルの悩み』でウェルテルはなぜ自殺したのか【あらすじ・感想】

「ウェルテル効果」という言葉がある。 有名人の自殺がマスメディアによって報道されると、それに影響されて自殺者が増える現象を表す言葉である。この名前は『若きウェルテルの悩み』の主人公ウェルテルにちなみ、この現象を実証した社会学者ディヴィッド・フィリップスによって名付けられた。 『若きウェルテルの悩み』は、1774年にドイ […]

  • 2021年10月6日
  • 2022年9月14日

「読んではいけない」本ーセリーヌ『夜の果てへの旅』【あらすじ・感想】

東京大学出版会から出ている『教養のためのブックガイド』という本があり、おもしろいのだが、その中で一番面白いのは「読んではいけない」本も挙げられていることである。 そのような「読んではいけない15冊」として挙げられているうちのひとつが、フランスの作家ルイ=フェルディナン・セリーヌによる『夜の果てへの旅』という小説である。 […]

  • 2021年2月18日
  • 2023年2月12日

男も憧れるカッコよさ―『シラノ・ド・ベルジュラック』あらすじ・感想

エドモン・ロスタンの戯曲『シラノ・ド・ベルジュラック』は、男のロマンみたいなところがある。 容姿に恵まれない主人公の恋が実る話だからだ。でも、そんな「ありがちの話」と思ってもらっては、困る。シラノ・ド・ベルジュラックの内面は本当にかっこいいのだ。やっぱり、この作品はものすごい名作だ。 『シラノ・ド・ベルジュラック』あら […]

  • 2021年1月23日
  • 2022年10月18日

スタンダール『恋愛論』考察・解説ー恋はどうやって生まれるのか?

恋が始まるには、ほんの少しの希望があれば十分です。 ――スタンダール という引用から始まるマンガ作品があるが、さらに言えばこの言葉はスタンダールの『恋愛論』第三章冒頭からの引用である。 『恋愛論』という本は、恋愛について論じた本としては古典中の古典である。実際読んでみると、共感できる点も多く、自分の感じていた精神現象が […]

  • 2020年10月14日
  • 2022年9月14日

つまらないのに、印象に残る不思議な作品―フランツ・カフカ『城』あらすじ・感想

海外文学の名作と言われるものは、確かに難解なものは多いけれど、たいていどこか興奮できるような箇所があるものである。 でも、率直に「つまらない」と思った作品もあった。 私の中でのその代表が、フランツ・カフカの『城』である。 この作品を読んでいる時は平坦で、つまらなかった。——でも、逆にものすごく印象に残ったし、名作と言わ […]

  • 2020年6月4日
  • 2022年9月14日

カミュ『異邦人』の主人公ムルソーは「サイコパス」か「正直者」か?【あらすじ・考察】

ボーガンによる殺人事件というニュースを見た。亡くなられた方のご冥福をお祈りする。 不謹慎ながら、私がボーガンと聞いて思い出すのは、ドラマ『相棒』Season1 第5話「目撃者」という話である。 小学校周辺で起きたボーガンによる殺人事件を題材とした話なのだが、非常に印象深い登場人物が登場する。子役時代の染谷将太演じる小学 […]

  • 2020年5月18日

Kindle Unlimitedで読み放題で読める、おすすめのドイツ文学の古典的名作15選

Kindle Unlimited(キンドルアンリミテッド)というサービスがある。音楽のサブスクリプションと違い、ほとんどの電子書籍が読み放題というわけにはいかないが、非常に多くの本を定額で読むことができるサービスである。   ビジネス書なども多く読み放題のラインナップに入っているようだが、私として興味があるのは小説の古 […]

  • 2020年5月18日

Kindle Unlimitedで読み放題で読める、おすすめのフランス文学の古典的名作25選

Kindle Unlimited(キンドルアンリミテッド)というサービスがある。音楽のサブスクリプションと違い、ほとんどの電子書籍が読み放題というわけにはいかないが、非常に多くの本を定額で読むことができるサービスである。   ビジネス書なども多く読み放題のラインナップに入っているようだが、私として興味があるのは小説の古 […]

  • 2020年4月21日

めちゃくちゃ面白いフランス文学の入門書!ー鹿島茂『悪女入門 ファム・ファタル恋愛論』書評・感想

フランス文学の一番楽しく読める入門書は?ーーと聞かれたら、この鹿島茂『悪女入門』(講談社現代新書)を薦める。 この『悪女入門』という本、その名の通り男を誘惑し破滅させる「悪女」(ファム・ファタル)になるためのハウツー本なのであるが、そのテキストはフランス文学なのである。 フランス文学に登場する代表的「悪女」を教科書にし […]

  • 2020年4月18日
  • 2022年9月14日

「優しすぎる父親」は孤独死してしまうのか?ー『ゴリオ爺さん』【あらすじ・感想】

老人ホーム(宿泊ありのデイサービス)でボランティアをしたことがある。 実の子どもたちもほとんど世話をしに来てくれないようなお年寄りを目の当たりにして、心が痛んだ。ーーそのようなお年寄りの方々も、若いときは人並み以上に子どもに愛情と金銭を注いだはずなのだ。 そのような姿を見て、私はオノレ・ド・バルザック『ゴリオ爺さん』を […]