- 2020年10月25日
- 2022年9月14日
とてつもない難解さゆえの中毒性―フォークナー『響きと怒り』あらすじ・感想
読んでいて、あまりに理解が追い付かなくて笑ってしまった小説がある。 「こんなのわからねーよ!」と、読んでいながらツッコんでしまうのである。 その作品こそ、ノーベル文学賞作家ウィリアム・フォークナーの代表作『響きと怒り』である。だが、もちろん本当に「意味不明」な作品ではない。最初に「意味不明」だと思っ […]
読んでいて、あまりに理解が追い付かなくて笑ってしまった小説がある。 「こんなのわからねーよ!」と、読んでいながらツッコんでしまうのである。 その作品こそ、ノーベル文学賞作家ウィリアム・フォークナーの代表作『響きと怒り』である。だが、もちろん本当に「意味不明」な作品ではない。最初に「意味不明」だと思っ […]
トルーマン・カポーティの『冷血』を読んだらめちゃくちゃ面白かったので、カポーティの代表作『ティファニーで朝食を』を読み返してみた。 (『冷血』についてはこちらの記事で書いた) 『ティファニーで朝食を』は、映画だとどのような評価になるのかはわからないが、原作は個人的には読んでいてめちゃくちゃ虚しくなる […]
こういうと語弊を招くかもしれないが、私は戦争文学が好きである。 戦争は絶対に繰り返してはいけないと思っているし、体験したくもない。 しかし、だからこそ戦争に巻き込まれた人々の記憶は継承されるべきであると考えているし、文学作品に描かれた戦争に巻き込まれた人々の心理状態などには興味があるのだ。 従軍体験 […]
私はいわゆる戦国マニアなのだが、戦国マニアとして一番推したいマンガが、岩明均の『雪の峠・剣の舞』である。 岩明均というと一番の代表作は『寄生獣』だが、『ヒストリエ』などの作品に見られるように歴史への造詣が非常に高い。 (寄生獣にも「ギョエ~~~~ッ 塚原卜伝」とかいう、戦国時代が好きじゃないと意味不 […]
※2025年追記 こちらの記事で紹介していたのはKindle PaperwhiteのKindle第11世代(Paperwhiteとしては第4世代)です。 新型コロナウイルスの影響で開催が延期されていたAmazon Primeデーで、ようやくKindle Paperwhite(キンドルペーパーホワイト […]
海外文学の名作と言われるものは、確かに難解なものは多いけれど、たいていどこか興奮できるような箇所があるものである。 でも、率直に「つまらない」と思った作品もあった。 私の中でのその代表が、フランツ・カフカの『城』である。 この作品を読んでいる時は平坦で、つまらなかった。——でも、逆にものすごく印象に […]
ミラン・クンデラが2020年のフランツ・カフカ賞を受賞したらしい。フランツ・カフカ賞というのは、2006年に村上春樹が受賞したことで日本でもよく知られるようになった、チェコの文学賞である。 クンデラといえば、『存在の耐えられない軽さ』があまりに有名だが、これ以外にも名作が多い。とくにクンデラの出世作 […]
トルーマン・カポーティというと奔放な女性を描いた『ティファニーで朝食を』のイメージが強いが、ノンフィクション・ノベルという分野を開拓した小説家でもある。カポーティが「ノンフィクション・ノベル」という境地を開いた作品こそ、この『冷血』(“In Cold Blood”)である。 […]
アーサー・C・クラークの『幼年期の終わり』という作品がある。 作者アーサー・C・クラークは、映画『2001年宇宙の旅』の原作者としても知られているSFの大家で、代表作である『幼年期の終わり』もSFの古典として知られている。 この作品を初めて読んだのは中学生の時だったが、最近読みなおしたら昔と違う印象 […]
ここ10年くらい週刊誌なんて買っていなかったが、最近10年ぶりに週刊少年ジャンプを買っている。 鬼才・藤本タツキによる『チェンソーマン』というマンガがあまりに急展開過ぎて、単行本を待つことができなくなったからである。日々Twitterなどで断片的なネタバレを食らううちに、単行本が待てなくなりジャンプ […]