小学校高学年の親戚に何か本をプレゼントしようと思った時に、自分が小学生の頃に夢中で読んだ本を思い出した。
フィクションはいろいろあるけど、ノンフィクションも捨てがたい。
自分が一番夢中になって読んだノンフィクションは、NHKの『プロジェクトX』の書籍版である。夜更かしするほどのめり込んで読んだのを覚えている。
それで、先日『プロジェクトX』の書籍版を買ってプレゼントしようと思ったのだが、残念ながら絶版(品切れ)になっていた。ぜひNHK出版には、もういちど単行本で出してほしい。
というわけで、古本を贈るのもどうかとおもうので『プロジェクトX』をプレゼントするのは断念したのだが、電子書籍では今も配信されていることを知った。
単行本の『プロジェクトX』では、1冊に6つ程度のエピソードが収録されていたのだが、電子版ではエピソードが1つからバラ売りされている。
Kindleなら、なんと1エピソード110円である。(記事投稿日時点)
もちろん、分量は普通の単行本の6分の1くらいなのだが、それでもかなりお得である。単行本なら1500円はするので、半額以下だ。
個人的なおすすめは、以下の3作。(ちょっとテイストが似てるかもしれないけど)
興味を持った方は、ぜひ読んでみてほしい。(Kindleなら冒頭数ページの試し読みも可能)
「YS-11」
国産旅客機「YS-11」の誕生秘話。
かつてはゼロ戦などを開発した日本の技術者だが、戦後は飛行機を作る技術を奪われた。そんな技術者たちの奮闘を描く一本。
「翼はよみがえった」~YS-11 日本初の国産旅客機 ―翼よ、よみがえれ プロジェクトX~挑戦者たち~
- 発売日: 2012/07/31
- メディア: Kindle版
「黒四ダム」
言わずと知れた、黒四ダム建設までの激闘の物語。
『黒部の太陽』で描かれたトンネル開削の話と、ダム建設の話。
どうしてこんな危険な工事現場にダムを造る必要があったのか? 作業員皆が、何かを背負っている。そんなドラマに思いを馳せる一冊。
「黒四ダム 1千万人の激闘」 ―曙光 激闘の果てに プロジェクトX~挑戦者たち~
- 発売日: 2012/07/31
- メディア: Kindle版
「青函トンネル」
これまたトンネル開削の話。
私たちが当たり前のように使っている青函トンネル。しかし、どうして青函トンネルは「悲願」だったのか、そして青函トンネルはどうやってできたのか。すべての日本人に、トンネルを通過するたびに思い返してほしい。
「友の死を越えて」~青函トンネル・24年の大工事 ―執念の逆転劇 プロジェクトX~挑戦者たち~
- 発売日: 2012/07/31
- メディア: Kindle版
地上の星たちを語り継ぐ
『プロジェクトX』に登場する技術者たちの世界は、今読むと旧世代の根性論が跋扈した世界であることもある。
しかし、根性論が跋扈しているのも当然なのである。
この時代の技術者たちは、第二次世界大戦に従軍した経験を持つものが多い。まさに死線をくぐりぬけてきた人々なのである。だから、根性の重さが違う。
何か成し遂げるためには、本気で死ねたような人々なのである。
そのような人々のことを、一概にパワハラ気質と切り捨てるのは、少し違うような気がする。
そして、戦後すぐの頃のエピソードでは、ほんとうに人々の生活が厳しかったことがわかる。
たとえば、ブラジルに移民になろうとしていた人もいたのである。
そのような世の中で、日本をよりよくするために命を懸けた人々には、心から敬意を示したい。
私たちも、そのような人々が勝ち取ったこの世の中を、食いつぶしてはいけない。
『プロジェクトX』で描かれた人々の生きざまは、永遠に語り継ぎたい熱いドラマだ。