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書評

  • 2021年10月11日
  • 2025年7月31日

《戦後80年》井伏鱒二『黒い雨』あらすじ・感想ー原爆の不条理さに翻弄される庶民

この記事を書いたのは、「黒い雨訴訟」が話題となった時期である(2021年)。 「黒い雨」というのは、原爆投下後に降り注いだ、原爆投下時に生じた煤や放射性物質を含んだ、言葉通り黒色をした雨のことである。 つまり、原子爆弾によって直接被爆しなかった場合であっても、放射性物質を含む「黒い雨」を浴びてしまっ […]

  • 2021年10月9日
  • 2022年9月14日

『若きウェルテルの悩み』でウェルテルはなぜ自殺したのか【あらすじ・感想】

「ウェルテル効果」という言葉がある。 有名人の自殺がマスメディアによって報道されると、それに影響されて自殺者が増える現象を表す言葉である。この名前は『若きウェルテルの悩み』の主人公ウェルテルにちなみ、この現象を実証した社会学者ディヴィッド・フィリップスによって名付けられた。 『若きウェルテルの悩み』 […]

  • 2021年10月6日
  • 2022年9月14日

「読んではいけない」本ーセリーヌ『夜の果てへの旅』【あらすじ・感想】

東京大学出版会から出ている『教養のためのブックガイド』という本があり、おもしろいのだが、その中で一番面白いのは「読んではいけない」本も挙げられていることである。 そのような「読んではいけない15冊」として挙げられているうちのひとつが、フランスの作家ルイ=フェルディナン・セリーヌによる『夜の果てへの旅 […]

  • 2021年9月21日
  • 2022年9月14日

クッツェー『恥辱』あらすじ・感想ー現実にどう向き合うか

都内の大学の教授が過去に教え子と性的関係を持ち、教え子から告発されたらしい。申し立てが事実なら、大学から追われることになるだろう。 ところで、「大学教授が学生に手を出して懲戒処分になる」ところから始まる小説といえば、ノーベル文学賞作家ジョン・マクスウェル・クッツェーによる『恥辱』である。 もっとも、 […]

  • 2021年9月20日
  • 2022年9月14日

コンラッド『闇の奥』あらすじ・感想ー「文明」と「野蛮」の対立と親和

先日、日本語を母語としない台湾出身の李琴峰さんが、『彼岸花が咲く島』で第165回芥川賞を受賞した。母語以外での作家活動なんて私には想像もできないくらい大変だと思うが、基本的に日本語で読書をする一読者としては、李さんのような作家の活躍は非常に嬉しいことだと思う。 ところで母語以外で創作活動を行った作家 […]

  • 2021年9月8日
  • 2025年4月16日

最良のノスタルジー小説は『回想のブライズヘッド』である【あらすじ・感想】

生まれ育った地域にあった比較的大きな屋敷が、どんどん集合住宅になっていく。 それは否定すべきことではないが、その屋敷は「現代」に敗北し終焉を迎えたといえるだろう。趣向を凝らした屋敷が、無機質なマンションになっていくーー美しい時代が終わったのだ。 そんな「屋敷の終焉」を描いた小説の最高傑作と言えるのが […]

  • 2021年9月7日
  • 2025年4月12日

カズオ・イシグロ『遠い山なみの光』というミステリー【あらすじ・感想】

世の中には三種類の作家がいる。デビュー作が一番読みやすい作家と、デビュー作が一番読みにくい作家と、どちらでもない作家だ。 ーーそんなことは当たり前なのであるが、しかし、色々な作家について、この3種の中のどれであるかを考えるのかは意外と面白いことではないかと思う。 このブログでもこれまで作品をいくつか […]

  • 2021年3月31日
  • 2022年10月18日

カズオ・イシグロ『クララとお日さま』の不気味さ【感想・考察】

カズオ・イシグロがノーベル文学賞を受賞してから初の長編小説である『クララとお日さま』が、ついに刊行された。 「AIと少女の交流を描く感動の物語」という触れ込みの本作品だったが、実際に読んでみると、かなり不気味な作品である。「美しい小説」を求めている人より、ミステリーやSFを求めている人にお薦めしたい […]

  • 2021年2月26日
  • 2022年10月18日

【Kindle版で入手可能】プロジェクトXは書籍版も面白い!

小学校高学年の親戚に何か本をプレゼントしようと思った時に、自分が小学生の頃に夢中で読んだ本を思い出した。 フィクションはいろいろあるけど、ノンフィクションも捨てがたい。 自分が一番夢中になって読んだノンフィクションは、NHKの『プロジェクトX』の書籍版である。夜更かしするほどのめり込んで読んだのを覚 […]

  • 2021年2月18日
  • 2022年10月19日

人間性と芸術のあいだーモーム『月と六ペンス』あらすじ・感想

タイトルが秀逸な小説と聞かれて真っ先に思い浮かぶのが、サマセット・モームの『月と六ペンス』という小説だ。 この小説は、パリでの実業家生活ののち画家に転身し、晩年はタヒチで暮らした画家ポール・ゴーギャンをモデルにした小説だ。今回は、この小説について個人的な偏見も交えつつではあるが、紹介していきたい。 […]

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このブログは管理人が実際に読んだ本や聴いた音楽、見た映像作品について書いています。AI全盛の時代ですが、生身の感想をお届けできればと思っています。