- 2021年10月21日
- 2022年10月19日
チェーホフ『ワーニャ伯父さん』あらすじ・感想ー絶望の中で生きるということ
先日、映画『ドライブ・マイ・カー』を観た。この映画の中で重要なモチーフとなっているのが、チェーホフの戯曲『ワーニャ伯父さん』であるが、この作品の内容が気になったので積読していたこの本を読んでみた。 今回は、『ドライブ・マイ・カー』で言及された点を重視しながら、『ワーニャ伯父さん』のあらすじや感想について書いてみようと思 […]
先日、映画『ドライブ・マイ・カー』を観た。この映画の中で重要なモチーフとなっているのが、チェーホフの戯曲『ワーニャ伯父さん』であるが、この作品の内容が気になったので積読していたこの本を読んでみた。 今回は、『ドライブ・マイ・カー』で言及された点を重視しながら、『ワーニャ伯父さん』のあらすじや感想について書いてみようと思 […]
2015年にノーベル文学賞を受賞したスヴェトラーナ・アレクシェーヴィチの代表作であるノンフィクション『戦争は女の顔をしていない』は、岩波現代文庫からも出ているが、KADOKAWAからコミック版(作画・小梅けいと)も出ている。 ここでは、原書とコミック版とを比較しつつ、二つの『戦争は女の顔をしていない』についての感想を記 […]
「好きなバンド」を聞かれたときに、公言しても何も問題ないバンドと、やや公言するのが憚られるバンドがある。 イギリスのロックが好きだと言った場合、たとえばビートルズは好きだと公言するのに何も問題はない。聞いた人に「何そのバンド?」と思われる恐れもないし、「あんなバンドが好きなのか」と軽蔑される心配もない。 一方で、たとえ […]
◆この記事は◆ 『日本史探偵コナン』(小学館)を読んだので、その評価について書きます! 小学生の親戚にプレゼントする本を考えていた時に、小学館から『日本史探偵コナン』という学習漫画が出ていることを知りました。 私自身、小学生時代に学習漫画はよく読んでおり(ちなみに大学受験の時にも読んでいました)、学習面での効果があ […]
海外文学はそれなりに読んできたが、カフカはいまいち「わからない」という感想を持っている作家だ。 しかし、むしろ、わからないところがクセになるともいえる。面白さがよくわからなくても、読み終わると「すごいものを読んだ」という気持ちになる。 そのような中で、カフカの『変身』は、すぐに読み終わる短編ということもあり、比較的面白 […]
映画『ドライブ・マイ・カー』を観たので、今更ながら感想を書こうと思う。 この映画は、村上春樹の短編集『女のいない男たち』に所収されている短編「ドライブ・マイ・カー」を原作とする、濱口竜介監督による映画である。カンヌ国際映画祭で脚本賞も受賞した。 上映時間が180分近い大作なのだが、まったく飽きることのない映画であった。 […]
◆この記事は◆ 各出版社から刊行されている「新書」について、8つのレーベルを取り上げてその特徴をご紹介します。 「新書」とは何か、ご存じでしょうか。 「新書」という言葉には「新しい書物」を指す場合もありますが、ここでいう「新書」とは「新書判」(約173×105mm)と呼ばれるサイズの本のことを指します。 いわゆる「文庫 […]
「世界で最も評価されている二次創作」は、もしかするとジーン・リースの『サルガッソーの広い海』という小説かも知れない。 モダン・ライブラリーの「Modern Library 100 Best Novels」にも選ばれているこの小説は、シャーロット・ブロンテの『ジェーン・エア』の前日譚を「現代的な立場」から描いた小説である […]
イーヴリン・ウォーという小説家は、日本ではそこまで有名ではないかもしれないが、イギリスでは『情事の終り』などで知られるグレアム・グリーンと双璧とされるカトリック作家であるという。 過去にこのブログでも紹介したウォーの代表作『回想のブライズヘッド』は、過ぎ去った時代へのノスタルジーを主題とした小説だが、カトリック的な価値 […]
死後80年近く経っているにもかかわらず、最近今まで以上に注目を集めている作家がいる。イギリスの女性作家、ヴァージニア・ウルフだ。 ウルフは「女性が小説を書こうと思うなら、お金と自分一人の部屋を持たねばならない」とした講演『自分ひとりの部屋』が有名でフェミニズム的な観点でも重要であり、またウルフはレズビアン小説も書き、自 […]