• 2021年10月20日
  • 2022年9月14日

フランツ・カフカ『変身』あらすじ・感想ー現代の社畜の悲劇として考察する

海外文学はそれなりに読んできたが、カフカはいまいち「わからない」という感想を持っている作家だ。 しかし、むしろ、わからないところがクセになるともいえる。面白さがよくわからなくても、読み終わると「すごいものを読んだ」という気持ちになる。 そのような中で、カフカの『変身』は、すぐに読み終わる短編ということもあり、比較的面白 […]

  • 2021年10月19日
  • 2022年10月17日

映画『ドライブ・マイ・カー』と、村上春樹の原作との違いと【感想】

映画『ドライブ・マイ・カー』を観たので、今更ながら感想を書こうと思う。 この映画は、村上春樹の短編集『女のいない男たち』に所収されている短編「ドライブ・マイ・カー」を原作とする、濱口竜介監督による映画である。カンヌ国際映画祭で脚本賞も受賞した。 上映時間が180分近い大作なのだが、まったく飽きることのない映画であった。 […]

  • 2021年10月17日
  • 2022年10月17日

徹底解説!新書のレーベルごとの特徴まとめ【新書とは?】

◆この記事は◆ 各出版社から刊行されている「新書」について、8つのレーベルを取り上げてその特徴をご紹介します。 「新書」とは何か、ご存じでしょうか。 「新書」という言葉には「新しい書物」を指す場合もありますが、ここでいう「新書」とは「新書判」(約173×105mm)と呼ばれるサイズの本のことを指します。 いわゆる「文庫 […]

  • 2021年10月15日
  • 2022年10月17日

ジーン・リース『サルガッソーの広い海』あらすじ・感想ー名作と植民地の暗部

「世界で最も評価されている二次創作」は、もしかするとジーン・リースの『サルガッソーの広い海』という小説かも知れない。 モダン・ライブラリーの「Modern Library 100 Best Novels」にも選ばれているこの小説は、シャーロット・ブロンテの『ジェーン・エア』の前日譚を「現代的な立場」から描いた小説である […]

  • 2021年10月14日
  • 2022年9月14日

英国流のブラックユーモア小説ーイーヴリン・ウォー『大転落』【あらすじ・感想】

イーヴリン・ウォーという小説家は、日本ではそこまで有名ではないかもしれないが、イギリスでは『情事の終り』などで知られるグレアム・グリーンと双璧とされるカトリック作家であるという。 過去にこのブログでも紹介したウォーの代表作『回想のブライズヘッド』は、過ぎ去った時代へのノスタルジーを主題とした小説だが、カトリック的な価値 […]

  • 2021年10月13日
  • 2023年7月4日

ヴァージニア・ウルフ『灯台へ』あらすじ・感想ー現代小説の傑作

死後80年近く経っているにもかかわらず、最近今まで以上に注目を集めている作家がいる。イギリスの女性作家、ヴァージニア・ウルフだ。 ウルフは「女性が小説を書こうと思うなら、お金と自分一人の部屋を持たねばならない」とした講演『自分ひとりの部屋』が有名でフェミニズム的な観点でも重要であり、またウルフはレズビアン小説も書き、自 […]

  • 2021年10月11日
  • 2022年10月17日

井伏鱒二『黒い雨』あらすじ・感想ー原爆の不条理さに翻弄される庶民

最近(2021年)「黒い雨訴訟」が話題となった。 「黒い雨」というのは、原爆投下後に降り注いだ、原爆投下時に生じた煤や放射性物質を含んだ、言葉通り黒色をした雨のことである。 つまり、原子爆弾によって直接被爆しなかった場合であっても、放射性物質を含む「黒い雨」を浴びてしまった人は、放射性物質に被曝し、健康被害が出ていたの […]

  • 2021年10月9日
  • 2022年10月17日

ブラー(Blur)の名曲・名盤おすすめランキング【全アルバム評価】

以前、オアシス(Oasis)のアルバムランキングを書いたが、1990年代のイギリスで「ブリットポップ」と呼ばれる音楽シーンをオアシスとともに牽引したバンドが、ブラー(Blur)である。 地方の労働者階級出身のオアシスに対し、ロンドンの中産階級出身のブラーはことあるごとに対比されてきた。荒々しさのあるオアシスに対し、ブラ […]

  • 2021年10月9日
  • 2022年9月14日

『若きウェルテルの悩み』でウェルテルはなぜ自殺したのか【あらすじ・感想】

「ウェルテル効果」という言葉がある。 有名人の自殺がマスメディアによって報道されると、それに影響されて自殺者が増える現象を表す言葉である。この名前は『若きウェルテルの悩み』の主人公ウェルテルにちなみ、この現象を実証した社会学者ディヴィッド・フィリップスによって名付けられた。 『若きウェルテルの悩み』は、1774年にドイ […]

  • 2021年10月7日
  • 2022年10月18日

文庫1冊以内! おすすめの日本文学の名作10選

このブログでは海外文学ばかり取り上げてきたが、日本文学も好きである。 以前海外文学のおすすめ10選を取り上げたので、せっかくなので対になるように日本文学のおすすめもしてみようと思う。 海外文学には、その地域特有の文学の魅力がある。しかし、日本文学も当然「日本の文学」であり、特有の魅力があるのである。 ここではおすすめの […]