- 2020年11月8日
- 2023年4月6日
日本ゲイ小説の金字塔―三島由紀夫『禁色』【あらすじ・感想】
今月25日で三島由紀夫の没後50年である。 三島由紀夫といえば「同性愛」のイメージがつきまとうが、その中でも『禁色』(きんじき)という作品は、同性愛をテーマにしながらエンターテイメント的にも非常に面白い作品である。 同性愛をテーマにした小説で、この作品ほどスリリングで、また考えさせられる作品を、私はまだ知らない。 『禁 […]
今月25日で三島由紀夫の没後50年である。 三島由紀夫といえば「同性愛」のイメージがつきまとうが、その中でも『禁色』(きんじき)という作品は、同性愛をテーマにしながらエンターテイメント的にも非常に面白い作品である。 同性愛をテーマにした小説で、この作品ほどスリリングで、また考えさせられる作品を、私はまだ知らない。 『禁 […]
そろそろデヴィッド・ボウイが死去して5年経つ。 私より若い世代になると、デヴィッド・ボウイを聴く人はだいぶ少なくなるんだろうなと思う。そもそも私の周囲にもデヴィッド・ボウイを聴く人は残念ながらほとんどいない。 でも、私はデヴィッド・ボウイのアルバムが好きだし、今後聞かれなくなってしまうのは寂しい。 だから、この記事で、 […]
岩明均の『寄生獣』というマンガがある。 無駄のない構成を持つ面白いマンガであり、さらに人間に寄生して体を乗っ取り人間を食べるという「寄生生物」の恐怖をテーマに据え、人間とは何かという問題、あるいは環境問題に踏み込んだ、多くのテーマを孕み哲学的な示唆に富んだマンガとして今でも読み継がれている。 今回は、この『寄生獣』とい […]
1990年代のイギリスは、「イギリス的」な音楽が盛んになった時代で、オアシス、ブラーに代表される数々のバンドが興隆した。この一大ムーブメントは「ブリットポップ」と呼ばれるが、私はこの時期の音楽を愛している。 というわけで、今回はブリットポップの個人的な名盤20選を紹介したい。 アルバムに収録されているおすすめの名曲も、 […]
私の中学時代の読書体験の80%は星新一で出来ていると言ってよい。 しかし、中学から高校に入ると、私は星新一を「卒業」してしまった。 それは、一つには星新一作品をほぼ読みつくしたからであるが、もう一つには高校生になって星新一を読んでいるのはダサいんじゃないかという思いがあった。 だが、私は今では、星新一を読むことは幼稚だ […]
読んでいて、あまりに理解が追い付かなくて笑ってしまった小説がある。 「こんなのわからねーよ!」と、読んでいながらツッコんでしまうのである。 その作品こそ、ノーベル文学賞作家ウィリアム・フォークナーの代表作『響きと怒り』である。だが、もちろん本当に「意味不明」な作品ではない。最初に「意味不明」だと思っていた話も、読み進め […]
トルーマン・カポーティの『冷血』を読んだらめちゃくちゃ面白かったので、カポーティの代表作『ティファニーで朝食を』を読み返してみた。 (『冷血』についてはこちらの記事で書いた) 『ティファニーで朝食を』は、映画だとどのような評価になるのかはわからないが、原作は個人的には読んでいてめちゃくちゃ虚しくなる小説である。 あまり […]
今回紹介するのは、1990年代のイギリスでブリットポップを牽引したバンド・オアシス(Oasis)のアルバムランキングである。 もちろん、その時の気分によって聞きたいアルバムは変わるし、個人的な思い入れという偏見が入り込んだランキングではあるが、初めてオアシスを聴こうと思っている方は参考にしていただければ幸いである。 ま […]
こういうと語弊を招くかもしれないが、私は戦争文学が好きである。 戦争は絶対に繰り返してはいけないと思っているし、体験したくもない。 しかし、だからこそ戦争に巻き込まれた人々の記憶は継承されるべきであると考えているし、文学作品に描かれた戦争に巻き込まれた人々の心理状態などには興味があるのだ。 従軍体験を持つ代表的な作家の […]
またミュージシャンの訃報があった。 死を選ぶミュージシャンは昔から多い。 「死にたい」という気持ちは、共感可能である。私だってそういう気持ちは非常によくわかる。 だけど、ほんとうに死んでしまった人については、憧れることはできても共感することは不可能である。私たちは、まだ死んでいない人間なのだから。 そういう意味で、一番 […]