- 2022年2月9日
- 2022年10月19日
ドストエフスキーの『罪と罰』は、「現代の予言書」なのか?【感想・考察】
2021年に生誕200年を迎えたドストエフスキーの作品は「現代の予言書」と言われる。誰が言い始めたのか厳密にはわからないが、たとえば新潮文庫版『カラマーゾフの兄弟』に寄せられた原卓也の解説には「この作品は今日でもなお、人類の未来に対する予言的なひびきを失わわぬばかりか、いっそう強めてさえいるのである。」と書かれている。 […]
2021年に生誕200年を迎えたドストエフスキーの作品は「現代の予言書」と言われる。誰が言い始めたのか厳密にはわからないが、たとえば新潮文庫版『カラマーゾフの兄弟』に寄せられた原卓也の解説には「この作品は今日でもなお、人類の未来に対する予言的なひびきを失わわぬばかりか、いっそう強めてさえいるのである。」と書かれている。 […]
世界文学上に今なお燦然とその輝きを放ち続ける巨匠レフ・トルストイの作品『アンナ・カレーニナ』は、現代でも名前はおそらく多くの方が聞いたことがあると思う。 そしてこの物語が、主人公アンナ・カレーニナが、熱狂的な恋愛の末、鉄道自殺を遂げる……という話であることも、知っている人が多いだろう。 しかし、『アンナ・カレーニナ』と […]
かつて進路について考えていたころ、ある人から「一番難しい目標を目指せ」と言われたことがある。 「難しい目標」はそのタイミングを逃したら叶えることができないが、そこまで難しくない目標であれば、難しい目標に夢破れた後でも叶えることができるかもしれない。人生その時その時で、一番難しい目標に挑戦することが大事なのだ。 私はこれ […]
長いあいだ閉じこもった部屋にこもりきりになる経験は、コロナ禍で多くの人が思わず経験することになったかもしれない。私もその一人である。 閉じこもった生活を続けた後で太陽のもとに出ると「生きていること」の素晴らしさを実感する。そして、なんでもできるような気分になるのだ。 フランスのノーベル文学賞作家アンドレ・ジッドによる初 […]
安部公房は、日本で最もノーベル文学賞に近かった作家の一人であると言われる。 それは安部公房が海外で高く評価されていたからであるが、現代の私が読んでみても、安部公房の作品は「海外文学的」である。もちろん安部公房の作品が生まれた土壌には渺茫とした満洲での経験や敗戦後の日本での体験があるはずだが、安部公房はそれを描くための手 […]
20世紀のイタリアの作家ディーノ・ブッツァーティは、代表作の長編『タタール人の砂漠』も有名だが、多くの優れた短編を残した小説家としても知られている。 ブッツァーティの短編は非常に面白いが、星新一のショートショートのように奇抜な設定やオチの秀逸さを楽しめるものでも、オー・ヘンリーの短編のように心温まるラストを楽しめるもの […]
人生とは、有限で、老いとともに色々な可能性を失っていくもので、短く、たいていの人は何かを成し遂げることさえできずに終幕を迎えるものである。 そのようなことをテーマにした世界文学の名作として、イタリアの作家ディーノ・ブッツァーティの『タタール人の砂漠』という作品がある。 ディーノ・ブッツァーティは「イタリアのカフカ」と呼 […]
映画『ユダヤ人の私』を観た。 ゲッベルスの秘書を務めた女性ブルンヒルデ・ポムゼルにインタビューをした『ゲッベルスと私』に続く、オーストリアのクリスティアン・クレーネス監督らによる「ホロコースト証言シリーズ」の第二弾で、本作は『ユダヤ人の私』(原題:A Jewish Life=ユダヤ人の人生)というタイトル通り、ホロコー […]
『嫌われた監督 落合博満は中日をどう変えたのか』(鈴木忠平著)を読んだ。 2004年から2011年シーズンに中日ドラゴンズを監督として率いた落合博満について、選手や球団関係者への聞き取りや当時スポーツ紙のドラゴンズ担当記者であった著者の回想を交えて、その軌跡を追ったノンフィクションである。 このノンフィクションを読み終 […]
司馬遼太郎の小説を原田眞人監督が映画化した映画『燃えよ剣』を観た。その後司馬遼太郎の原作『燃えよ剣』も読んだ。 まず、映画を観た感想としては、殺陣が見事である。 主演の岡田准一のアクションへのこだわりと、原田監督の「時代劇という伝統を絶やさない」という矜持を感じる。非常に見ごたえがある映画であった。映画を観終わって、こ […]