オアシス来日公演

【オアシス来日 セトリ・感想 2025.10.26@東京ドーム】ノエルとリアムの思い出

2025年10月26日(日)に行われた、オアシス再結成公演(東京ドーム・2日目)を見た。すべてのシーンを目に焼き付けようとしたつもりだが、公演が終わってしばらく経ったいまでは幻のような気もしていて、ライブを確かに見たのだという記録を残したいと思う。

私にとって2025年のハイライトは、このオアシスの公演だったかもしれない。それは私の2025年のライフイベントの乏しさを意味するのかもしれないが、しかし例えそうであったとしても、オアシスのライブが素晴らしいライブであったことに疑いの余地はない。ありきたりな感想だが、夢か現か分からなくなるほどに楽しいライブであった。東京ドームでのライブにもかかわらず、観客全員がライブハウス並みに熱狂し、全曲熱唱していた。こんな空間を作り出せる洋楽アーティストは、オアシスだけだろう。

今回は、そんなライブの感想について個人的な印象深かった点について触れながら書いていきたい。

オアシス2025来日公演 セットリスト

はじめに、ライブの感想を書いていく前に、今回の公演のセットリストについて紹介したい。

オアシスの再結成ライブのセットリストはどの会場でも同じ。順番も含めてすべて同じなのはちょっとつまらない気もしたが、しかしイギリスもアメリカも日本も韓国もオーストラリアも南米も、世界中のオアシスファンが平等に同じセットリストを楽しめるのは、それはそれでよかったと思う。今回のオアシスのライブは、会場の一体感も含めて「全員が同じ体験をして一つになる」ということが一種のテーマになっていたように感じたが、それは今回のツアー全ての会場の観客に対して言えることだったのだ。

0曲目(?)としたFuckin’ in the Bushesは、オアシスのライブでおなじみのSE。メンバーが演奏しているわけではなく、この曲が出囃子のような形で流されて登場する。ライブ10曲目のTalk Tonightから12曲目のLittle by Littleまでは、ノエル・ギャラガーがメインボーカルをとるパートである。アンコールは4曲という構成だった。

0.Fuckin’ in the Bushes (SE)

1.Hello
2.Acquiesce
3.Morning Glory
4.Some Might Say
5.Bring It On Down
6. Cigarettes & Alcohol
7.Fade Away
8.Supersonic
9.Roll With It

10.Talk Tonight
11.Half the World Away
12.Little by Little

13.D’You Know What I Mean?
14.Stand by Me
15.Cast No Shadow
16.Slide Away
17.Whatever
18.Live Forever
19.Rock ‘n’ Roll Star

~ENCORE~

20.The Masterplan
21.Don’t Look Back in Anger
22.Wonderwall
23.Champagne Supernova

オアシス2025来日公演 感想

ここからは、ライブ開始前の当日の会場の雰囲気から、感想を記していきたい。

会場の雰囲気

当日、12時くらいに一度東京ドーム周辺に立ち寄ったのだが、すでにすごい人だかりだった。日曜日だったこともあり、物販も売り切れがかなり出ていた。私は物販にはそこまで本気で臨まなかったが、気合を入れて地方から上京しても目当てのものがゲットできないという人も多かったのではないだろうか。

これは余談だが、東京ドームの22ゲートには「我がジャイアンツは永遠に不滅です」という長嶋茂雄の名言が英語で「OUR GIANTS WILL LIVE FOREVER – Shigeo NAGASHIMA | 1974」と張り出されていて、オアシスの名曲「Live Forever」と偶然のシンクロ(?)をしており、謎のフォトスポットと化していた。

オアシス 東京ドーム
オアシス来日公演時の東京ドーム ©不眠の子守唄

オープニングアクト・おとぼけビ~バ~登場

オープニングアクトには、おとぼけビーバーが登場。前日のライブの前座はアジカンで、オアシスのファン層的な問題もあり「アジカンの方が見たかった」という意見もSNSでは見られたが、当日の東京ドームは非常に盛り上がった。おとぼけビーバー自身も、「おとぼけビーバーって誰だよ」的なネット上の意見を気にしているような感じのMCもあり、なんとなく申し訳ない気持ちにもなったが、会場は概しておとぼけビーバーに好意的だったと思う(リアム・ギャラガーがおとぼけビーバーを指名しているんだから、オアシスファンは文句言うなと思う)。

おとぼけビーバーのパフォーマンスでは、曲でももちろん盛り上がったが、ボーカルのあっこりんりんが曲名を読み上げるときに盛り上がり、笑いが起きた。「ジジイ is waiting for my reaction」は観客(やオアシスメンバー)への一種のイジリになっていたし、「ニューアルバムはまだですか」はリスナーに対するミュージシャンの気持ちをストレートに伝えていて面白かった。

おとぼけビーバーにはそこまで私は詳しくなかったが、今度はおとぼけビーバー本人のライブに行きたいと思った。どうしても前座だと本来の盛り上がりは出ないというのもあるし、もちろん東京ドームという会場でもいいのだけれど、次はライブハウスで見たい。

おとぼけビーバーを見た後にトイレに行ったが、列の長いこと長いこと……。どこから列が始まっているのか分からず、めちゃくちゃ歩く羽目に。

オアシスの来日メンバー

開演時間から少し過ぎたところで、満を持してオアシス登場。

映像もかっこよかったし、音響も相当こだわりがあるだろうなという第一印象。特に音響については、東京ドームの音は悪いという定説をひっくり返すものだった。ギター3本、ベース、ドラム、そしてリアムのボーカル。これが世界一のロックバンドか、と感じる素晴らしいライブだった。

オアシス来日公演
オアシス登場 ©不眠の子守唄

来日メンバーは、ノエル・ギャラガー(ギター)、リアム・ギャラガー(ボーカル)の兄弟に加えて、アンディ・ベル (ベース)、ゲム・アーチャー (ギター)といういつものメンバー。オアシスと言えばドラムは安定したメンバーがいないバンドだが、今回はジョーイ・ワロンカーがドラムで参加。ワロンカーはリアムとジョン・スクワイアが共演した「Liam Gallagher & John Squire」のドラムを担当していたので、その縁ということだろう。個人的にジョーイ・ワロンカーといえば、R.E.M.の『Up』『Reveal』のドラマーで、このアルバムも好きなので嬉しい人選だった。

ちなみにドラムの演奏で少し驚いたのは、オアシスを代表するアコースティックナンバーである「Talk Tonight」などでも結構力強いドラムが鳴っていたことである。

オアシスの創設メンバーでギタリストのポール・“ボーンヘッド”・アーサーズは病気のため来日しなかったが、代わりにリアムと共演してきたマイク・ムーアが日本公演・韓国公演で参加した。ボーンヘッドが見られなかったのは残念だが、健康に気を使ってまた別の機会に来日してほしい。

ちなみにボーンヘッドは、ステージ上に等身大パネルが置かれていた。そしてもう一人、マンチェスター・シティの監督であるジョゼップ・グアルディオラ(ペップ)の等身大パネルもおかれていた。ちなみにこの等身大パネルは私の席からは視認できなかったので、終演後にSNSで気づいたが、2人ともスキンヘッドなので混乱している観客も多かったようである。

なんでサッカーの監督の等身大パネルをステージに置くんだ(笑)とは思うが、ファンならよく知っているように、彼らのマンCへの熱狂的ファンぶりは相当なものである。余談だが、私が初めてマンチェスターシティというクラブを知ったころはマンチェスターユナイテッドの方が強かったので、マンCといえば「弱い方のマンチェスター」だった。それが2008年にアブダビの王族シェイク・マンスール率いる投資グループにマンCが買収されてから、現在ではマンCとマンUの強さは逆転している。

ノエルはマンCがオイルマネーで強くなっていることに肯定的で、クラブのアイデンティティが損なわれるのではという質問をされても一蹴しているらしい。これは想像になるが、ノエル自身もオアシスの成功により貧乏な境遇を抜け出し大富豪になったが(ちなみにノエルとリアムは今回の再結成で得たお金でロンドンの不動産を買いあさっている)、それでも自分のアイデンティティが損なわれているとは思っていないからマンCに対してもそう思うのではないだろうか。

ノエルとリアムの思い出

マンCの話に逸れてしまったが、しかしこの感想は完全な脱線というわけでもなく、今回のライブで感じたノエル・ギャラガーとリアム・ギャラガーという人物に抱いた感想そのものである

オアシスというバンドは、2人の兄弟喧嘩により解散し、そして兄弟が和解したことによって再結成が実現した。結局のところ、この2人の関係次第なのである。だがノエルとリアムにとって、互いの関係というものは、生まれた時から変わらないものであるし、それは今回の再結成公演でも同じなのだろう。

2人の東京公演での仲良しぶり(手をつないでいるところやキスしているところ)は、SNSでも観客の写真が多数アップされているが、そのような決定的瞬間を写真に撮ることはできないような席から見ても、その関係の良好さは良く伝わった。

現地に行ってよかったのは、2人の表情が見られることである。リアムはわかりやすく表情を変えることはないが(サングラスもしている)、ノエルは終始にこにこしていて、かわいかった。リアムも観客の反応について表情でレスポンスを見せることもあり、笑顔を見せるわけではないが、満足そうな表情を見せることもあった。特に「Cigarettes & Alcohol」のイントロの時に「ポズナン」と呼ばれるマンCの観客おなじみのパフォーマンス(ピッチに背を向けて肩を組んで飛び跳ねる)をリアムが指示していたが、これは土曜日の公演はあまりうまくいかなかったようだが、日曜日の公演では観客も予習した者が多かったからかみんな行っていて、リアムは満足そうだった。ノエルとリアムは間違いなくスターなのだが、しかし虚像というわけではなく、ステージ上の2人からはどこか親しみやすさを感じた。

オアシスというバンドの魅力は、労働者階級の2人の兄弟(とボーンヘッドたち)がバンドを始めて、イギリスの国民的バンド、ひいては世界的ロックバンドになったというところにある。もちろん、ノエルには自分がロックスターになったことへの感慨はあるだろうし(一方、リアムは自分がロックスターになったのは当然と思っている節がなんとなくある気がする)、元の貧乏な生活に戻る気などさらさらないはずだが、しかし大富豪になったとはいえ兄弟の関係は変わらないのだ。

ノエル・ギャラガー
ノエル・ギャラガー ©不眠の子守唄
oasis whatever
リアム・ギャラガー(「Whatever」歌唱シーン) ©不眠の子守唄

この日の公演では、ノエルが「Supersonic」のアウトロを弾き間違えたことをリアムが茶化す(「チキンを食べたから指が滑ったのか?」と言っていた)シーンもあり、見どころの一つだった。(ただ正直に言えば、リアムの英語は訛りすぎてマジでわからなかったので、この言葉の意味がわかったのは終演後にSNSを見てからである。)

ライブ中、リアムは日本語の「Arigato」を連発していて、ノエルはなぜかスペイン語で「Muchas Gracias」と言っていた(ノエルはアルゼンチンと縁が深い)。リアムがあまりにも「Arigato」と言いすぎるから、ノエルは「Arigato」と言いにくかったのかななんて気もして、微笑ましいシーンだった。

ここまで個別の曲の感想について一切書いてこなかったが、曲の感想としては、どれも知っている曲だし、(もちろ期待以上だったけれど)本当に期待通りだった。観客もみんな歌っていて、でも音響が良かったのでリアムやノエルの声がかき消されるということもなかった。一番観客に歌うことを要求してくる曲がHalf the World Awayなのには少し驚いたが(笑)。おそらくだが、東京公演はかなり(特にリアムの声の状態などが)良いコンディションでのライブだったのではないかと思う。

おわりに

やはりオアシスの今回のライブを見ることができてよかったのは、ノエルとリアムの2人が作り出す空気が味わえたことだった。これはノエルとリアムのソロのライブでは味わえないものである。そして、どこか親しみやすさを感じる兄弟である一方で、間違いなく彼らは世界一のロックバンドとしての風格も持っている。そんなオアシスのライブにより観客全員が一つになった空間でのライブ体験は、非常に得難いものだった。

これからチケットが当たる限り何回でもオアシスの来日に行くぞ! という気持ちもあれば、一度得た記憶を二回目に打ち壊すのは惜しい、という気持ちもある。もし次があるとしても、ドームの2階席とかだったら今回のライブと比べて逆に残念に思ってしまうだろうから、逆に高いチケットだけ応募するのもありかな……。

そんな変な悩みもしている今日この頃だが、オアシスの活動が断続的だとしても今後も続くことを期待したい。

オアシス ロックンロールスター
オアシスは真のロックンロールスターだった ©不眠の子守唄

 

 

>このHPについて

このHPについて

このブログは管理人が実際に読んだ本や聴いた音楽、見た映像作品について書いています。AI全盛の時代ですが、生身の感想をお届けできればと思っています。