【ランキング】ビートルズ全アルバム「聴く順番」を徹底評価!!

アビーロード

私は洋楽、特にイギリスのロックを愛する一般人である。この趣味を持っていて一番良かったと思えたのは、外国人とカラオケに行ったときである(人生で一度しか経験がないが)。

そんな時、やっぱり一番盛り上がるのは、ビートルズーーThe Beatlesの曲なのである。

ビートルズは永遠に不滅であり、今後も国際言語であり続ける。だから、ビートルズを聴いて後悔は絶対にさせない

だから、ビートルズを聴いたことがないすべての人に、ビートルズの作品を聴いてもらいたいと思っている。「ビートルズがない世界」を描いた「イエスタデイ」という映画も、昨年公開されている。

もし、ビートルズを初めて聴くなら、個人的におすすめのオリジナルアルバムの順番があるので、よろしければこのランキングを参考にしていただきたい。

0.赤盤青盤

「0番目」として、ベスト盤である赤盤(ザ・ビートルズ1960年~1976年)青盤(ザ・ビートルズ1967年~1970年)を紹介する。赤盤が「前期」のベストアルバム、青盤が「後期」のベストアルバムである。

「いきなりベスト盤を紹介するなんて、お前は本当に洋楽ファンか?」と言われそうだが、相手が超が付くほどのビートルズのビギナーであればベスト盤をお薦めしざるを得ない。

だが、最初に聴くベスト盤は絶対に赤盤・青盤にしてほしい

その理由は、選曲と順番の良さである。

ビートルズのマネージャーを務めたアラン・クレインが選曲し、メンバーの一人ジョージ・ハリスンも協力したともいわれているのだから、選曲と順番はおおむねメンバーも納得しているものだと思われる。

実際に、選曲と順番はよくできていると私は思っている。

(意外な収録曲はOld Brown Shoeくらいではないか)

ビートルズのベストアルバムとしては「1」という、イギリスかアメリカのチャートで1位を獲得した曲のみが収録されたアルバムも有名だが、どうしてもこのアルバムはまとまりがいいアルバムとは思えない。

だから、最初にベストアルバムを聴くなら、絶対に赤盤と青盤にしてほしいと思うのである。

赤盤(The Beatles 1962~1966)

ザ・ビートルズ 1962年~1966年 (赤盤)(通常価格盤)(デジスリーヴ仕様)

青盤(The Beatles 1967~1970)

ザ・ビートルズ / 1967年~1970年 ( 青盤・CD2枚組 ) TBCD-002

1.Please Please Me

芸がないが、最初に聴くべきオリジナルアルバムとしては「Please Please Me(プリーズ・プリーズ・ミー)」を推したい。最初に聴くべきとしてお薦めなのであって、アルバムとして一番お薦めというわけではないのには留意していただきたい。

このアルバムこそ、ビートルズの最初のオリジナルアルバムである。

アルバム冒頭を飾る「I Saw Her Standing There」は、当時の荒々しさも感じられる名曲。活動初期のアルバムということで「Twist And Shout」などカバー曲も含まれているのだが、それもそれで魅力的かもしれない。

また、なんといっても初期のビートルズの魅力は、コーラスである。

ここが、ビートルズの真似できないところなのである。調和のとれた至高のコーラスを、存分に聴いていただきたい。

みどころ

・アルバム冒頭のI Saw Her Standing Thereの「1,2,3,4!」の掛け声。

・随所にみられるコーラスなど、ビートルズの4人の若々しさ。あとはハーモニカ。

Please Please Me

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2.Abbey Road

2番目は「Abbey Road」(アビーロード)。発売順では11枚目、最後から2枚目のアルバムだが、実際には最後に収録されたアルバムと言ってよい。

ビートルズのアルバムの中で一番ジャケットが有名なのはこれだろう。

正直に言うと一番お薦めしたいアルバムはこのアビーロードなのだが、このアルバムは最後にレコーディングされたアルバムということで2番にしてしまった。

このアルバムは、瓦解直前の4人が最後に完成させた奇跡的な作品なのである。もしビートルズファンになったら、このアルバムは何度も聞き返してほしい。

みどころ

・冒頭を飾る「Come Together」のメンバー紹介のような歌詞。

・A面最後の重苦しい「I want You」から、B面最初のさわやかな「Here Comes Sun」への移行

・リンゴ・スターの一世一代の名曲「Octpus’s Garden」が収録されている、唯一の「4人全員が名曲を書いているアルバム」であるところ。

・ビートルズのエンディングを飾る「The End」の「終わり感」

アビイ・ロード【50周年記念2CDエディション】(期間限定盤)(2SHM-CD)

3.Revolver

3番目は「Revolver」(リボルバー)。ビートルズ中期を代表するアルバムである。7枚目のオリジナルアルバム。

余談だがこのアルバムの題は、日本公演中に決められたともいう。

「芸術性」を評価するなら、このアルバムが1番なのではないだろうか? アルバムのジャケットの通り、サイケデリックなアルバムである。

みどころ

・2曲目の「Eleanor Rigby」。ストリングスのみでこんな曲が作れるのか、と感嘆せざるを得ない。グラミー賞受賞。

・アルバム最後を飾る「Tomorrow Never Knows」。サイケデリックロックの象徴的な曲。ミスチルの同名曲の方が日本人的に名曲なのは肯かざるを得ないが、本家はこちらだと声を大にして言いたい。

・当時の最先端の録音技術と、今でも新鮮な録音の工夫の数々。

Revolver

4.A Hard Day’s Night

4番目は「A Hard Day’s Night」を推そう。3枚目のオリジナルアルバムで、邦題は「ビートルズがやってくるヤァ!ヤァ!ヤァ!」(今となってはダサいが、当時はこのセンスが普通だったのだろうか?)。

ジョン・レノンが圧倒的な存在感を持っていたころのビートルズの最高傑作ではないかと思う。古めかしいギターロックだが、若々しい才能の輝きがそこにある。

みどころ

・表題曲「A Hard Day’s Night」のイントロの「ジャーン」という不思議な音色(このコードはどうやって鳴らしているか今でも論争の対象で、The “A Hard Day’s Night” Opening Chordと呼ばれているらしい)。

・ビートルズ初の全曲オリジナル曲(13曲)のアルバムである点。さらに、その中でも10曲はジョン・レノンが事実上書いていて、勢いを感じるアルバムである点。

A Hard Day's Night

5.Rubber Soul

5番目は「Rubber Soul」(ラバー・ソウル)。6番目のオリジナルアルバム。

完全にビートルズが「アイドル的グループ」から脱却したのがこのアルバムと言えるだろう。音楽性の幅の広がりを感じる魅力的なアルバムである。

「Revolver」派や「Rubber Soul」派かは綺麗に二分される気がするが、個人的には挑戦的な曲が多い「Revolver」を上位におすすめした(あとは、アルバムのラストも「Revolver」の方が好き)。

しかし裏を返せば、この「Rubber Soul」の方が雰囲気の良くまとまったアルバムであると思う(余談だが、アルバムの「最初の曲」に限れば、「Rubber Soul」の方が好きかも…… この2つのアルバムは、このあたりが対照的だと思う)。

みどころ

・超名曲「In My Life」収録アルバム。

・村上春樹「ノルウェイの森」の元となった「Norwegian Wood」収録。

・シタールなどの「インド」感。

Rubber Soul

6.The Beatles (The White Album)

7番目は「The Beatles」というバンド名を冠したアルバム。通称「ホワイト・アルバム」と呼ばれているアルバム。9番目のオリジナルアルバム。

Disc1は個人的にビートルズのCDの中で一番好きと打っても過言ではないのだが、2枚組アルバムで長いうえ、収録曲も玉石混淆であるため、到底ビギナーにはお薦めできなかったのでこの順位にした。

最後から二番目の曲の「Revolution 9」とかは意味不明で、おそらく今後の人生でもこの曲を理解できることはないと思うのだが、それを含めてメンバーの個性が出ているアルバムとして本当に何度も聞き返したいアルバムである。

みどころ

・リンゴ・スターを怒らせた結果「Back In the U.S.S.R.」などで自分でたたく羽目になったポール・マッカートニーのドラミング。

・オノ・ヨーコが一瞬リードボーカルになることで悪名高い(?)「The Continuing Story of Bungalow Bill」が終わり、エリック・クラプトンがギターを弾く「While My Guitar Gentle Weeps」が始まるところ。

・リンゴ・スターによる駄作「Don’t Pass Me By」など、箸にも棒にも掛からぬ曲も逆に魅力。

The Beatles (The White Album)

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7.Magical Mystery Tour

7番目には「Magical Mystery Tour」(マジカル・ミステリー・ツアー)を推そう。

このアルバムは、オリジナルアルバムとしてのナンバリングには通常数えられない(イギリスでなくアメリカで発売されたため)。

だが、他のアルバムに収録されていない名曲が多数収録されているアルバムである。だんだん「サイケデリックロック」とは何たるかがわかってくると、このアルバムが中毒にさせるような不思議な魅力を持っているように感じられてくるのではないかと思う。

みどころ

・「ドレミファソラシド」の音感を養成するのにも役立つ名曲「Hello, Goodbye」。

・ジョン・レノンが真価を発揮した「Strawberry Fields Forever」(ストロベリー・フィールズ・フォーエバー)と、ポール・マッカートニーが真価を発揮した「Penny Lane」の共演。

Magical Mystery Tour

8.Beatles For Sale

8番目は「Beatles For Sale」(ビートルズ・フォー・セール)。4枚目のオリジナルアルバム。「フォー・セール(売り出し中)」の名前通り、クリスマス商戦に合わせて発売されたアルバム。

そのため、前作「A Hard Day’s Night」は全曲オリジナルだったが、このアルバムはカバー曲も含まれている。

みどころ

・イントロなしで始まる冒頭の「No Reply」。この曲は作りこまれているわけではないけれど、名曲だと思う。

・全体的にアレンジ・音に「こなれてきた感」が出ている。

Beatles For Sale (Remastered)

9.Help!

9番目には、「中期」のアルバムとしてHelp!(ヘルプ!)(かつての邦題は「4人はアイドル」)。

表題曲を含め有名曲が多く含まれているのだが、それ以外はフォーク調の曲が多くで好みが分かれるか、といったところ。

みどころ

・「Help!」「Yesterday」の際立つ名曲度合い。「曲ランキング」を作るなら、この2曲はベスト10にどちらも入るだろう。

・フォークっぽい曲の多さ(ボブ・ディランの影響か)。

Help!

10.With The Beatles

10位は「With The Beatles(ウィズ・ザ・ビートルズ)」。2枚目のオリジナルアルバムである。

簡単な音の作りの中で、やはり彼らにしか作れないと思わせる曲の数々が魅力である。

みどころ

・超名曲All My Loving

With The Beatles

11.Let It Be

11番目はLet It Be(レット・イット・ビー)。ビートルズの12枚目のオリジナルアルバム、すなわち最後に発売されたアルバムである。

だが、実際にこのアルバムのもとになったセッションはAbbey Roadよりも前なので、このアルバムを最後から二番目のアルバムとする説も強い(ただし最近は「Let It Be」が名実ともに最後のアルバムという説の方が優勢?)。

どちらにしろ言えるのは、「Let It Be」を録音していた4人はほんとうにバラバラだということ。表題曲Let It Beは超有名な超名曲だが、このアルバムは優れたアルバムではない

みどころ

・表題曲Let It Beの傑出度合い。

・名曲は多いんだけど……

・ビートルズ末期の分裂を体現したようなアルバム。

Let It Be

・『Let It Be』には、『Let It Be… Naked』という別バージョンがあって、個人的にはこちらの方がお薦めである(ただし、最初から『Naked』を聴くのは邪道だと思うので、とりあえずはオリジナルアルバムの方を聴いてほしい)。詳しくは以下の記事参照。

12.Sgt. Pepper’s Lonely Hearts Club Band

12番目には「Sgt. Pepper’s Lonely Hearts Club Band」を登場させよう。8番目のオリジナルアルバムである。

この「サージェントペパーズ」を下位に置くなんて、筆者は全く音楽の歴史というものを知らないのではないか、と洋楽好きの人は思われるかもしれない。たしかにこのアルバムは、音楽史上に残る、ポップミュージックの歴史を変えたアルバムである。

でも……と私は思う。

ビートルズのビギナーに「ビートルズの魅力」を伝えるという能力では、このアルバムは正直なところ他のアルバムより劣っていると思うのである。というわけで、異論もあるかと思われるがこの順位にさせていただいた。

みどころ

・世界初の「コンセプトアルバム」(アルバム自体にストーリーを持っているアルバム)として、音楽史上の最高傑作とする声も多い。

・「名曲」は少ない。Lucy in the Sky with Diamondsとかのサイケ路線が気に入るかどうか。

Sgt. Pepper's Lonely Hearts Club Band (Super Deluxe Edition)

13.Yellow Submarine

最後に聴くべきビートルズのアルバムは、「Yellow Submarine」

このアルバムはよほどのマニアでない限りおすすめしない。この曲は一応10番目のオリジナルアルバムに数えられているが、実際はアニメのサウンドトラックで、A面にしか曲は収録されていないのである。

みどころ

・Hey Bulldogのためだけに聴くようなアルバム(表題曲「Yellow Submarine」は有名だが、「Revolver」にも収録されているのでわざわざここで聞かなくても良い)。

Yellow Submarine

番外編1 Past Masters

ビートルズは、シングル曲はアルバムに入れなかった

だから、オリジナルアルバムをすべて聴いても、まだまだ聞いていない曲はたくさんあるのである(これは最初に赤盤青盤を紹介した理由ともかかわる)。

なので、ビートルズの全ての曲を知るならシングル曲を集めたアルバムである「Past Masters」を聴くことが不可欠である。

このアルバムは機械的にシングル曲を集めたアルバムなので、曲順としては面白くない。なので、スマホなどからシャッフルして聴くのもよいかもしれない(オリジナルアルバムを聴くときはシャッフルはご法度です!)。

番外編2 サウンドトラック

「Love」

ビートルズの楽曲を利用したシルク・ド・ソレイユのミュージカルのサウンドトラックが、この「Love」。音が全体的に優しくなっていて、深夜とかに聴きたいアルバムになっている。

みどころ

・アコースティック版「While My Guitar Gently Weeps」など。

アースティックアレンジに興味をもったら、デモ音源などを集めたマニア向けの「ザ・ビートルズ・アンソロジー」もお薦めである。

Love

映画Yesterdayサウンドトラック

最後に紹介するのは、冒頭でも紹介した「ビートルズのない世界」を描いた映画「イエスタデイ」のサウンドトラック。

ビートルズの曲が現代風にアレンジされていて、かっこいい

ビートルズの曲のサウンドをどうしても古く感じる方におすすめである。

イエスタデイ(オリジナル・サウンドトラック)

イエスタデイ(オリジナル・サウンドトラック)

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おわりに

長文となってしまったが、ビートルズファンが一人でも増えることを願っている。

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