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2020年

  • 2020年8月2日
  • 2023年4月18日

安部公房『砂の女』あらすじ・考察ー外出自粛の経験から、囚われの男に思いを馳せる

一人でふらっと電車で遠出をする。駅を降りて、見知らぬ街をふらりと歩く。 私は、そういう小旅行が好きだ。でも、そうしていると時々「今、自分が誰かに連れ去られた時、知人や家族は自分を見つけ出してくれるのだろうか?」という不安に襲われることもある。――そう、安部公房の名作、『砂の女』を思い出してしまうのである。 でも、最近に […]

  • 2020年7月27日
  • 2023年4月21日

バーナード・ショー『ピグマリオン』あらすじ・感想ー稀代の皮肉屋が描くアンチ・ラブストーリー

バーナード・ショーの『ピグマリオン』といえば、あのオードリー・ヘップバーンが主演した映画「マイ・フェア・レディ」の原作としても有名である。 だが、この二つの作品は、実は全く違う結末の作品なのである。 「マイ・フェア・レディ」はいわゆるシンデレラストーリーのようなラブストーリーであるが、原作の『ピグマリオン』は稀代の皮肉 […]

  • 2020年7月25日
  • 2023年6月29日

ミラン・クンデラ『存在の耐えられない軽さ』が不朽の名作である理由

私は寝る前に本を読むのだが、私の「寝る前に読む本」シリーズで最高に素晴らしかったのが、このミラン・クンデラの『存在の耐えられない軽さ』である。 正直、この本は恋愛小説としてはつまらないかもしれない。だから集英社文庫の帯にある「20世紀恋愛小説の最高傑作」という謳い文句には首肯しかねる。 だが、私はこの本は恋愛小説という […]

  • 2020年7月23日
  • 2023年4月21日

【高校生・中学生向け】文学部卒が教える、読書感想文の攻略法ーテーマの決め方

そろそろ夏休みということで、今回は読書感想文の書き方について書いていきたい。 私の個人的な感想かもしれないが、「読書感想文の書き方」というものはあまり学校で習わないように思う。だが、私は読書感想文には攻略法があると思っている。 ただし「攻略法」といっても小手先のテクニックではなくて、優れた読書感想文を書くための突破口が […]

  • 2020年6月17日
  • 2023年6月29日

『まんが訳 酒吞童子絵巻』(ちくま新書)書評・感想ーマンガ理論で生まれ変わる絵巻物

新書を買いそろえるのが趣味なのだが、最近は忙しくあまり読めていない。 その中で、非常に読みやすく、かつ面白かったのが、ちくま新書から出た大塚英志監修/山本忠宏編『まんが訳 酒呑童子絵巻』である。 その名の通り、『酒吞童子絵巻(酒天童子絵巻)』をマンガにした本である。このブログで初めてレビューするちくま新書がこれなのは邪 […]

  • 2020年6月4日
  • 2022年9月14日

カミュ『異邦人』の主人公ムルソーは「サイコパス」か「正直者」か?【あらすじ・考察】

ボーガンによる殺人事件というニュースを見た。亡くなられた方のご冥福をお祈りする。 不謹慎ながら、私がボーガンと聞いて思い出すのは、ドラマ『相棒』Season1 第5話「目撃者」という話である。 小学校周辺で起きたボーガンによる殺人事件を題材とした話なのだが、非常に印象深い登場人物が登場する。子役時代の染谷将太演じる小学 […]

  • 2020年5月27日
  • 2023年6月29日

三島由紀夫『美しい星』あらすじ・考察ー異端のSF、だけど三島ワールド

三島由紀夫に『美しい星』という作品がある。 三島作品としては異色なSF的作品であり、「変わった作品」とみられることが多い。 しかし、私は三島作品の中でこの作品が一番好きかもしれない。それはこの小説が、私の初めて読んだ三島作品だからでもあるのだが、三島はこの作品で「SF」という道具を用いて、現代社会に対して非常に多くの示 […]

  • 2020年5月26日
  • 2023年7月1日

『らんま1/2』考察ー天童あかねはどうして泳げないのか?

高橋留美子の超名作『らんま1/2』を読み直していた。 『らんま1/2』は超名作だが、「考察」すべきような謎はほとんどないのだが、一つだけどうでもいいことに気づいたのでここに書く。 それは、「天童あかねが泳げない理由」である。 『らんま1/2』を読んだ方はご存知のように、ヒロイン・天童あかねは、カナヅチなのである。 しか […]

  • 2020年5月25日

『信長公記』で戦国大河ドラマの復習をするー「麒麟が来る」を観て思う

大河ドラマ『麒麟が来る』を観ている。録画して見ているので若干流れに乗り遅れている感があるが、長良川の戦いで斎藤道三が高政(義龍)に討たれるのをようやく見終わったところである。   ところで大河ドラマの楽しみ方は色々あると思うが、私はいつも大河ドラマを、史実(ないし逸話)をどのように潤色して物語を作り上げているのだろうか […]

  • 2020年5月25日

大学院生が、水月昭道『高学歴ワーキングプア 「フリーター生産工場」としての大学院』を読んで自戒する

私は現在、文系の大学院修士課程の学生であるが、なかなか厳しい道であることを自覚している。 そうというのも、一般に文系で修士・博士まで進んだ学生というものは、一部が大学教授の職を得られるほかは、社会的栄達と全く無縁の生涯を送ることになるからである。自殺率も非常に高まることが知られている。 文系よりは多少ましだと思うが、研 […]