- 2021年11月11日
- 2022年10月19日
『イーヴリン・ウォー傑作短編集』感想ー名作家によるブラックな短編
世の中には多く「傑作集」を銘打っている本があり、時たま納得できないものもあるが、イーヴリン・ウォーの『イーヴリン・ウォー傑作短篇集』(白水社エクス・リブリス・クラシックス)は、個人的には文句なしの「傑作短編集」だ。 このブログでは、これまでもいくつかイーヴリン・ウォーの長編は紹介してきたが、ウォーは短編の名手でもあるこ […]
世の中には多く「傑作集」を銘打っている本があり、時たま納得できないものもあるが、イーヴリン・ウォーの『イーヴリン・ウォー傑作短篇集』(白水社エクス・リブリス・クラシックス)は、個人的には文句なしの「傑作短編集」だ。 このブログでは、これまでもいくつかイーヴリン・ウォーの長編は紹介してきたが、ウォーは短編の名手でもあるこ […]
プロ野球の日本ハムに、来季から新庄剛志が監督として就任することが決まった。 新庄剛志というと、メジャーリーグからの復帰先に日本ハムを選び、野球の実力もさることながら、華やかなパフォーマンスで注目を集めた選手である。エンターテイナーとして随一の才能を持っており、最近も現役復帰を目指して話題を呼んだ。 私も、日本ハム時代の […]
『ベンジャミン・バトン 数奇な人生』というと映画が有名だが、原作は『グレート・ギャツビー』で有名なアメリカの小説家フランシス・スコット・フィッツジェラルドの短編である。 ご存じの方も多いと思うが、「老人の姿で生まれて、歳を重ねるごとに若返っていく運命を背負ったベンジャミン・バトン」の物語である。 今回は、角川文庫の短編 […]
昨日レーモン・クノーの『地下鉄のザジ』の紹介をしたので、今回はクノーの『文体練習』という本について紹介しようと思う。 この本は、小説でもエッセイでもない。 ではどのような本なのかというと、この本は同じ内容の文章を、99通りの別の書き方で書いた、まさに「文体の教科書」なのである。 今回は『文体練習』について、具体的にこの […]
『地下鉄のザジ』というと映画が有名だが、原作はレイモン・クノーによる小説である。 以前から興味はあったが、ついこの間の2021年9月に『地下鉄のザジ』がの新版が中公文庫から出たことを知ったので、読んでみた。新版でも訳は以前と変わらず生田耕作のものだが、植草甚一の映画評と千野帽子の新版解説がつけられており、たぶん活字が大 […]
タイトルの通り、ゲイ(またはバイセクシャル)であることを公言しているか、死後明らかになっている男性ミュージシャンについてのまとめです。 私は同性愛者ではないので、マジョリティである非同性愛者がこうしたことを書くのは、いわゆる文化の盗用(カルチュラル・アプロプリエーション)の謗りを受けるかもしれません。しかし、ゲイやバイ […]
「面白いストーリー」と「面白い文学」は違う。 ーーということを最も強く実感するのは、中南米の小説を読んでいる時だ。 今回紹介するフアン・ルルフォの『ペドロ・パラモ』という小説は、ノーベル文学賞作家ガルシア・マルケスやバルガス=リョサをはじめとするラテンアメリカの作家たちに大きな影響を与えたといわれるような、ラテンアメリ […]
ドイツのノーベル文学賞受賞作家、ギュンター・グラス(1927~2015)の代表作に『ブリキの太鼓』という作品がある。 (映画化されているものも有名だが、この記事では原作の小説のみ取り扱う) 一行で解説すると、この小説は「主人公が生まれながらの超能力者で、三歳で自分の成長を止め、幼児の姿で激動の時代を生きる歴史小説」であ […]
◆この記事は◆ あだち充先生(以下、敬称略)の名作ランキングベスト10をご紹介します! 「一番好きな漫画家」を聞かれたら、私は「あだち充」と答えます。 あだち充作品は、ごく初期の作品を除いてすべて読んできました。 なぜあだち充作品が好きなのかというと、個人的な事情としては、家族・親戚にファンが多かったために、子どものこ […]
私は無神論者ではないが、それは死後の世界の存在を信じたいという意味におけるものであって、現世に神が介入することがあるとはないと考えている。そして、私たち人間が神の特別な被造物であるとも考えていない。 私がそう考える理由の一つは、私たち(あるいは私)の身体には欠陥が多すぎるからだ。 もし私がハリウッドスターばりの容貌で生 […]