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2021年1月

  • 2021年1月29日
  • 2023年4月5日

宇佐美りん『推し、燃ゆ』は、若者だけの話ではない【感想・考察】

第164回芥川賞に輝いた『推し、燃ゆ』(おし、もゆ)を読んだ。 結論から言うと、主人公にあまり共感は出来なかった。だが、主人公に共感できないというのは、小説が面白くないということではない。小説としては「推し」という現代的なテーマを純文学で描いたという点で画期的で、非常に面白かった。 この作品が注目され、芥川賞にも選ばれ […]

  • 2021年1月25日
  • 2022年9月14日

ユリシーズの前にージョイス『若い藝術家の肖像』【あらすじ・感想】

ジェイムズ・ジョイスの『若い藝術家の肖像』を読んだ。 最初に正直に感想を書くと、かなり難解であった。もちろん難解さを承知で読む人がほとんどだろうが、海外文学への入門として読むことはあまりおすすめしない。 とはいっても、ジェイムズ・ジョイスの入門としては、ジョイスの代表作である『ユリシーズ』よりも、この『若い芸術家の肖像 […]

  • 2021年1月23日
  • 2022年10月18日

スタンダール『恋愛論』考察・解説ー恋はどうやって生まれるのか?

恋が始まるには、ほんの少しの希望があれば十分です。 ――スタンダール という引用から始まるマンガ作品があるが、さらに言えばこの言葉はスタンダールの『恋愛論』第三章冒頭からの引用である。 『恋愛論』という本は、恋愛について論じた本としては古典中の古典である。実際読んでみると、共感できる点も多く、自分の感じていた精神現象が […]

  • 2021年1月18日
  • 2023年4月5日

スピルバーグ『シンドラーのリスト』が傑作である理由【あらすじ・感想】

大学に入ってから、戦争映画だけはちゃんと観ようと思い立ち、以来観る映画の半分以上が戦争映画になった。 純粋なドキュメンタリーも観るが、実話をもとにしたフィクションも観る。中でも印象的だったのは、スティーヴン・スピルバーグ監督の『シンドラーのリスト』である。 アマゾンプライムでも観ることができるので、戦争を描いた映画に興 […]

  • 2021年1月16日
  • 2023年4月5日

オーウェル『動物農場』あらすじ・考察ーコミカルな中のブラックな怖さ

ジョージ・オーウェルと言えば監視社会を描いた『一九八四年』が有名だが、オーウェルの出世作である『動物農場』も代表作として知られている。 『動物農場』(Animal Farm)は、副題が「おとぎばなし」(A Fairy Story)であるように、動物たちを主人公としたおとぎばなしである。物語はとても短く、小学生でも「ちょ […]