【名盤ランキング】デヴィッド・ボウイのおすすめアルバム10選

デヴィッドボウイ

そろそろデヴィッド・ボウイが死去して5年経つ

私より若い世代になると、デヴィッド・ボウイを聴く人はだいぶ少なくなるんだろうなと思う。そもそも私の周囲にもデヴィッド・ボウイを聴く人は残念ながらほとんどいない。

でも、私はデヴィッド・ボウイのアルバムが好きだし、今後聞かれなくなってしまうのは寂しい。

だから、この記事で、デヴィッド・ボウイを初めて聴く人にお薦めしたいアルバムのランキングを作ったので、興味のある方はぜひ参考にしていただきたい。

※おすすめランキングの一覧は記事の下にまとめてあります。

The Best of David Bowie 1974 - 1979 (1998 Remaster)

1.『The Next Day』(2013)

ザ・ネクスト・デイ

「デヴィッド・ボウイを初めて聴く人」に一番お薦めしたいのは、誰に何を言われようとも私は『The Next Day』(ザ・ネクスト・デイ)を推す

デヴィッド・ボウイは、一時期完全に引退状態になり「過去の人」となていたが、2013年に突如極秘裏に制作していたこのアルバムを発表して、一躍音楽シーンの最前線に舞い戻った。

冒頭を飾る表題曲「The Next Day」の歌詞

Here I am, Not quite dying

(俺はここにいる、まだ死にかけていない)

を聴けば、感動すら覚える。

――もっとも、デヴィッド・ボウイは次のアルバムの制作中には死を自覚することになってしまうことを知っている今これを聴くと切ないのだが。

このアルバムはそのような話題性もさることながら、非常にクオリティが高い

2013年のアルバムだからサウンドも現代的で、しかしそれでいてデヴィッド・ボウイぽさは全開である。

デヴィッド・ボウイを初めて聴く人は、まずはこのアルバムを聴いてほしい

もし気に入らなくても、他のアルバムも聴いてみてほしいのはもちろんだけど。

2.『Aladdin Sane』(1973)

Aladdin Sane (2013 Remaster)

2位は『Aladdin Sane』(アラジン・セイン)。

個人的には一番好きなアルバムかもしれない。

冒頭曲の「Watch that Man」では正統なロックという感じの音を奏でつつ、表題曲「Aladdine Sane」やアルバムラストの「Lady Grinning Soul」では、ジャズピアニストのマイク・ガーソンが躍動し、ジャズの要素が加わって退廃的な香りが漂う

耽美的な音楽を聴きたかったら、ぜひこのアルバムを聴いてみてほしい。

1973年のアルバムだが、ほとんど音に古さは感じないはずである。(逆にいえばこれより古いアルバムは音に古さを感じる)

3.『The Rise and Fall of Ziggy Stardust and the Spiders from Mars』 (1972)

The Rise and Fall of Ziggy Stardust and the Spiders from Mars (2012 Remaster)

3位は『The Rise and Fall of Ziggy Stardust and the Spiders from Mars』(ジギー・スターダスト)。

史上最高のコンセプト・アルバムと言っても過言ではないアルバム

「ジギー・スターダスト」という、宇宙からやってきたロックスターが、成功し没落する物語を一枚のアルバムで描いている。

特筆すべきは、構成の素晴らしさと、曲のすばらしさである。どの曲も、ロックの歴史に名を残すような名曲揃いである。

ただ、今聴くとサウンドは古いと思われても仕方ない。シンプルなギターロックに魅力を感じない人は、他のアルバムから聴いてみる方がいいかもしれない。

4.『Scary Monsters (and Super Creeps) 』(1980)

Scary Monsters (And Super Creeps) [2017 Remaster]

4位は、『Scary Monsters (And Super Creeps)』(スケアリー・モンスターズ)。

初めて聴いたら、ぜったいに面食らうアルバムである。

なぜか? というのをネタバレしてしまうと、このアルバムの冒頭曲「It’s No Game」は、いきなり日本語から歌が始まるからである(しかも日本人による日本語)。

下の女性のうちどっちかが、「It’s No Game」に参加している。(この写真はスパークスの『キモノ・マイ・ハウス』といいうアルバムのジャケット)

KIMONO MY HOUSE (RE-ISSUE

――というのは余談であるが、このアルバムの肝はロバート・フリップの唸るようなギターにある。ロバート・フリップは、今ではWindowsの起動音を作ったりしているが、この時代はKing Crimsonなどでプログレッシブなギターを弾いていた。

このアルバムが気に入ったら、キング・クリムゾンのアルバムへ行くのもいいかもしれない。

ちなみに、このアルバムの「Teenage Wildlife」という曲は、そこまで有名ではないが私は一番好きな曲。

5.『Hunky Dory』(1971)

Hunky Dory (2015 Remaster)

5位は『Hunky Dory』(ハンキー・ドリー)。

サウンドは古いが、純粋にデヴィッド・ボウイのソングライティングの技術の高さがわかるアルバムである。

ほとんどピアノ、ギター、ドラム、ベースだけで――しかも、それぞれの音は決して派手ではなくて――、ここまでの音楽を作れるのかと感心するアルバムである。だが重ねて言うが、現代のポップミュージックに慣れた人が聴いたらつまらないと感じるのは必至なので、こういうサウンドに慣れていない人は『ジギー・スターダスト』同様、別のアルバムから聴き始めてほしい。

最初は「地味なアルバムだな」と思っても、聴いているうちに不思議と好きになっていくアルバムである。

私も、知らないうちにこう口ずさむようになった。

Time may change me. But I can’t trace time.

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6.『Station to Station』(1976)

Station to Station (2016 Remaster)

6位は『Station to Station』(ステイション・トゥ・ステイション)。

6曲しかないアルバムだが、無駄がない。

デヴィッド・ボウイには、1974-75年のアメリカで黒人音楽の影響を受けていた時期(『Diamond Dogs』『Young Americans』)と、1970年代後半の、ベルリンでドイツのジャーマンロックの影響を受けた時期(『Low』『”Heroes”』『Lodger』のいわゆる「ベルリン三部作」)があるが、その過渡期にあるのがこのアルバムである。

ソウルのような黒人音楽の雰囲気も感じさせ、エレクトロ系の要素もある、いろいろな要素がミクスチャーされたアルバムである。

しかし、それでいて雑多な感じは一切しない。このアルバムをデヴィッド・ボウイの代表作に挙げる人も多い。

7.『★』(2016)

★ [Explicit]

7位は『★』(Blackstar、ブラックスター)。

デヴィッド・ボウイの遺作となったアルバム

デヴィッド・ボウイは、前作『The Next day』で華々しく復活を果たしたが、その次のアルバムである本作は遺作となってしまった。

ボウイも自身の死期を悟っており、このアルバムはそれが色濃く反映されている。

間違いなく、音楽の歴史に残る傑作である。

8. 『”Heroes”』 (1977)

"Heroes" (2017 Remastered Version)

8位は『”Heroes”』(ヒーローズ)。

アルバム前半は普通の曲(歌詞つき)だが、後半はインスト

このアルバムは、そのバランスがいい。

冒頭の「Beauty and the Beast」や、表題曲「Heroes」は、ドイツのジャーマンロックの影響を受けつつも独自の境地を開拓しているし、アルバム後半は環境音楽の始祖ブライアン・イーノの参加もあって、「Moss Garden」など音楽史上に残るインスト曲が並べられている。

大衆的でもあり、実験的でもある。トップスターとカルトヒーローとの二つの姿を両立したデヴィッド・ボウイの真骨頂である。

9.『Low』(1977)

Low

9位は『Low』(ロウ)。

このアルバムは、制作順としては『Heroes』の前。

ブライアン・イーノの影響が強く、ボーカルはほとんどない。

個人的にはすごく好きというわけではないのだが、やっぱり聴いていると陶酔感があるし、名盤であることに疑いの余地はない。

多くのミュージシャンに影響を与え、ロックの歴史を変えたと言われるアルバム。

10.『Diamond Dogs』 (1974)

Diamond Dogs (2016 Remastered Version)

10位は『Diamond Dogs』(ダイアモンドの犬)。

デヴィッド・ボウイが、ジョージ・オーウェルの『1984』に影響を受けて、『ジギー・スターダスト』や『アラジン・セイン』で演じた「虚構のスター」路線から脱却しようとしたアルバム。

ボウイは『1984』をミュージカル化しようとしたが、ジョージ・オーウェルの未亡人に拒否されてしまい、結果としてこのアルバムが生まれた。が、その名残は残っていて、このアルバムには『1984』にちなんだ「1984」や「Big Brother」という曲が入っている。これらの曲はミュージカルっぽい。

『1984』を読んだうえで聴くと、さらに面白い。

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おわりに

以下が、デヴィッド・ボウイのアルバムの個人的おすすめランキングです。

最後までお読みいただきありがとうございました。

もちろん、デヴィッド・ボウイには、ここで紹介した10枚以外にも多くのオリジナルアルバムを残していて、それぞれ名盤だと評価されている。この10枚を足掛かりにして、ぜひデヴィッド・ボウイの世界に入り込んでみてほしい。

2022年2月追記:最近出た『TOY』もめちゃくちゃ良いです。

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